More Perfect Harmony

　英KENTがまとめた好編集のスウィート・ソウル第二集が出た。

　さすがKENTの編集だけあって良い曲（有名な曲というのではない）が集められている。
　余裕をかまして言うと「英国人もなかなかスウィート・ソウルがわかってきたじゃないか」と思う。

　しかし気になるところもある。
　ブックレットに、70年代のコーラス・グループはドゥーワップの延長なのだと書いてある。
　確かに、たとえばマンハッタンズは自分たちのことを「プログレッシブ・ドゥーワップ」と呼んでいるくらいだし、黒人芸能の伝統として一連の流れにあることは間違いない。

　だがコーラスのスタイルにおいて70年代に全盛を極めたものはドゥーワップとは明らかに違う。
　ゴスペルにおけるコール・アンド・レスポンスこそが源流であり、無理にドゥーワップと結びつけることはないのではないか。
　英米においてドゥーワップという音楽が特別なものとして高く評価されているという現実があってのことだろうが。

　さらにリサーチがまだまだ甘い。
　収録されているデターミネーションズの曲が未発表と高らかにクレジットされているが、なんのことはないEventから出ている彼らの唯一のアルバムの収録曲である。

　ちょっと僕に相談してくれればよかったのに----というのは冗談。
　僕がまったく知らない曲やグループも収録されてます。
　たまたま知っていただけ。