謎謎謎 The Intruders
イントルーダーズは不思議な魅力を持っていて、眠いようなリトル・サニーの声に一度はまるとなかなか抜けられない。
サザン・ソウル一筋のファンには酷評されるが、ギャンブル=ハフによるフィリー・サウンドに乗った彼らの歌が僕は大好きだ。
なによりグループ名がいい。
ソウル初心者の頃、様々なグループ名にまだ聴かぬうちから胸をときめかしたものだが、イントルーダーズはその最右翼だった。
日本語にすると「侵入者たち」と身も蓋もないが、イントルーダーズという響きが僕のなかではなぜか心地よい。
さて、彼らの現時点での最後の録音が今日紹介する2002年のシングルだと思う。
タイトル曲は、まさに彼らの「眠い」ムードを持ったもので、歌の弱さを補ってあまりある。
さらにコーラスが、イントルーダーズらしさ爆発のアレンジなのも素晴らしい。
イントルーダーズ、まだまだ健在じゃないか---
と感じ入りながらクレジットを見て驚愕。
ご丁寧に誰がリードなのかも記してあるのだが
Robert "Bobby" Ferguson
となっている。ついでに他のメンバーは
Glenn Montgomery
Philip Gaye
Larry Williams
イントルーダーズのオリジナルメンバーは以下の通りだ。
Sam "Little Sonny" Brown
Eugene "Bird" Daughtry
Philip Terry
Robert "Big Sonny" Edwards
えっ?全員違うの?
それにしては声も似ているし、ジャケット写真も似ている人が一人(甘くみれば二人)いるんだけどなぁ?
もしかして新イントルーダーズのボビーは、Robert Edwardsの別名(本名?)なのかなと夢想してみたり---
イントルーダーズについてちょいと調べてみると、ほんの一時期彼がリトル・ソニーに変わってリードを取った時期があると書いてある文献があった。
1971年に、リトル・ソニーがグループを離れ、また戻ったその期間のようだが、ともあれボビー(Robert)がリードを取れるだけの男であれば、彼を中心とした新生イントルーダーズという可能性がある。
だが、なぜ名前を変える必要があるかと考えると根拠が薄弱だな。
完全に別メンバーだとすると、懐かしのソウル・ショーに出続けているうちに、メンバーが一人代わり二人代わり、気が付けばオリジナルは皆無。
しかし需要は往年の歌声なので似せて歌っている----ということになるだろう。
ありそうな話ではある。
最後に、最も楽しい想像は完全なニセモノというもの。
録音がフィリー、プロデューサーがH.Huffとなっているのも臭い。
オリジナルをプロデュースしていたのはもちろんL.Huffでそこまで悪ノリしたのか。
そうだったら最高に楽しい、まさにソウルフルな話だが、いくらなんでもこれはないでしょう。
ちなみにこのシングルCD、タイトル曲のほかに"Talking About Pop"というリズムのある曲も収録されており、そちらでリードを取っているのはPhilip Gaye。
彼はなかなか良い声のシンガーで、曲もインディと考えれば悪くない。
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