小粋なMcKinley mitchell
それは70年代のサザン・ソウルの秀作だったが、この人はもともとシカゴのシンガーである。
シカゴのOneDerfulに録音を残しており、それは以前P-VineからLPにまとめられていた。
そのカタログも廃盤となり、この時代のものは聴くのが難儀だったが、このたび米国でCDにまとめられた。
P-VineのLPが12曲だったのに対し、倍の24曲である。そんなに録音があったのか。
内容は、いわゆるアーリー・ソウル。
ソウルという音楽がはっきりしない時代でもあり、当時はマッキンリー"ソウル"ミッチェルと、わざわざソウルを入れて名乗っていたくらいだ。
まだ熟し切らない(ずっと熟し切らないようなサウンドだったが)シカゴの音との相性はいい。
「熱い」ソウルを求める人には物足りないかもしれないが、こういう小粋さもソウルの一つの表情だ。
残念なのはジャケット。
これはチムニービル時代の顔写真だろう。
P-Vine版で使っていた当時のものを使うほうが雰囲気が出たのだが。
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Comments
McKinley Mitchellに「小粋」という形容詞がつくとはちょっと面喰らうが、
私などは喉から血反吐を吐きながら絶叫するシンガーというイメージだったので。
All of a Sudden とか I'm So Glad とかの強烈な喉バイブレーションね。
その昔「都市の黒人ブルース」という本で、ボビー・ブランドが本物の現代のブルースであるのに比較してマッキンレー・ミッチェルは「クライ・シンガー」としてやや軽く扱われていたけれど。コマーシャルで品格に劣るというようなニュアンだったとう気がする。その頃はまだ日本磐としてLPは出ておらず英磐のコンピのジャケがソウル・オン誌に掲載され、なんとか聴きたいものだと憧れていたっけ。だからOne-der-ful! や chess の45を手に入れて聴いた時は感激したものです。1976年頃の話です。
Posted by: frisco | February 09, 2006 10:53 PM