はじめて聴いた Benny Latimore
こういう安易な聴きかたをしているせいで、マイアミ・サウンドの全体像がちっとも見えてこない。
マイアミ、TKのリイシューコンピは何枚か出ているが、どれも上っ面をなぞったものばかり。
そんな状況のなか、なんとHenry Stone MusicというレーベルからBenny Latimoreがリイシューされた。
このレーベル名が謎というか妖しい。
Henry Stoneはマイアミ・ソウルの制作者として大物中の大物だが、本当に彼の版権をクリアしているのだろうか。
ともあれ、僕はようやくBenny Latimoreを聴くことができた。
後にBennyを取り、ただのLatimoreとなってからの、Gladesあるいはその後のMalaco録音は比較的容易に聴くことができるのだが、正直なところぴんと来なかった。
彼はそれ以前のBlade/Dadeでの録音が最高なんだという評判は知っていたから、かねがね聴きたいと思っていたのだ。
さすがに良いものを感じた。
この人はもともとはナッシュビルの出身で、サザン・ソウルとしての氏素性の正しさが出ているような。
"The Power and the Glory"は歌に入るまでが長いが、その味わいは深く、やはり代表曲と言えるだろう。
ただし、曲によって歌いかたが異なるのは気になった。
この人の本質はバラディアで、それを推し進めジェリー・バトラー風に歌うものがある。
そうかと思うと、ゴスペルまるだしで吠える曲もある。
一つに定まらないところが器用貧乏で大成を妨げたのかもしれない。
軽快なサウンドにまるでシカゴ時代のオーティス・クレイのような歌唱が乗る"I'll be good to you"が気に入った。
あと"I'm a Believer"という曲は、まるごとウィルソン・ピケットの"I'm in love"のパクリで、楽しませていただきました。
The comments to this entry are closed.
Comments
さっき、www.henrystonemusic.com へ行ってきたら結構新しいのがふえていましたよ。 Clarence Reid, David Hudson, Jimmy Bo Horne, Bobby Byrd,Samm & Dave など。
Posted by: frisco | February 16, 2006 10:25 PM