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ヘッドホンで聴く Red Garland

Garland_SoulJunctionヘッドホンを買った。BOSEのQuiet Comfort 2(以後QC2)というブツ。

昔から音楽をヘッドホンで聴くのが好きで、家のなかではPioneerの無線のものを使っている。
(無線というのは本当に気持ちがいい。オーディオセットを離れPCに向かっていても、食卓で安酒をあおっていても音楽にひたることができる。)

話は変わって。
このブログの原動力となっているのがiPodである。
簡易に音楽を転送し、通勤の往復約2時間、これで音をチェックしている。
iPodは初代から4台を使い倒した。
(敬意を表してiTunesはMacintoshで動作させている。今はメインのPCは自作の極安DOS/Vマシンなのだが)

ただ以前からiPodの音には問題を感じていた。
通勤がメインなので、電車の音や雑踏がうるさく音楽の細かいところが聴けない。
だからといってボリュームをあげると音もれして周囲に迷惑をかける。
耳にも良くない。

候補としたヘッドホンはShureのE5cというカナル式(耳のなかにぐっと挿入する。僕はタンポン式と呼んでいる)のものと、今回購入したBOSEの密閉式のもの。
どちらにしようか迷いに迷ったのだが、とりあえずBOSEのものを選んだ。
密閉式は暑苦しいので夏になったらタンポンに替えるかもしれない。

このBOSEのQC2というのはノイズキャンセリング機能がついている。
周りの騒音を低減してくれる。
そのため音のボリュームは小さくても聴ける=音もれ公害がない、耳にも優しい。

ヘッドホンそのものは、まだエージング(慣らし)中で、まだまだ鳴ってはいないが、このノイズキャンセリング機能は一度体験するとなにものにも代え難い。
遮音とは違うので、人の声や、電車のなかの放送、さらには危険を察知する音が生じても聴くことができる。
音楽を消して居眠りするにも心地良いが、降駅を知らせる放送はちゃんと聞こえるというわけだ。

この威力を一番感じたのが今日取り上げるレッド・ガーランド。

マイルス・デイビスのバンドでこの人を知り、その繊細というか可愛らしいコロンコロンとしたピアノが大好きなピアニストである。
代表作"Groovy"は最もよく聴くジャズのレコードの一枚。

ただし、先に書いたようにこの人のピアノはタッチが弱い。
特に今日紹介する"Soul Junction"のタイトル曲は、静かな曲で通勤のざわめきのなかでは、よく聞こえなかった。
それが、QC2を使うとはっきりと聴こえるのである。
道を歩いている最中もレッド・ガーランドのピアノがくっきりと鳴り響くというのは、未知の体験で、かなり興奮してしまった。

この"Soul Junction"という曲は15分もの長尺だが、前半をガーランドの静寂なピアノが占める。
中盤からコルトレーンのサックスが入ってくるが、いつも通り勝手に自分の世界にしてしまうのがちょいと気にくわない(ジャズ・ファンの皆さん、すいません)。
ただし、そんなコルトレーンを戒めるように12分15秒から唐突に介入してくるドナルド・バードのトランペットのカタルシスが素晴らしい。
ジャズ・ピアノというのは基本的には退屈だから(またしてもジャズ・ファンの皆さん、すいません)、こういうギミックは嬉しい。

さて、このアルバムは1957年の録音。
ソウルという言葉が音楽に使われるのはジャズからで、R&B、たとえばサム・クックに何年も先立っていた。


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Comments

>iPodの音には問題を感じていた。

iTunes用には「Volume Logic iTunes Plug-in for Mac」というソフトが有りますので試されてはいかがでしょうか?
私のiPodは壊れたままなので効果があるかわかりませんがiTunesでは良い感じなので使用しています。
「Volume Logic」で検索した中の記事では
http://yostos.typepad.com/yostosweb/2005/12/volume_logic_fo.html
の中で
「iVolumeというiTunesのプラグインが...iPodでの設定にも反映される」と有ります。

Posted by: アドヒスタ | February 16, 2006 07:56 PM

 私もiPodの以前よりヘッドフォンには問題を感じていました。
>遮音とは違うので、人の声や、電車のなかの放送、さらには危険を察知する音が生じても聴くことができる。

通勤時間は1時間ほどなのですが、確かにPianoがとっても弱いのですね。
あとbassのソロもなかなか聞こえづらかったり...。

>...繊細というか可愛らしいコロンコロンとしたピアノが...

そうそう!
このBlogを拝見させていただいて、「BOSEのQC2」猛烈に欲しくなってしまいました。

わたしもRedGarlamdの"Soul Junction"、これで聴いて見たいですね。
それと個人的に大好きな「Moodsville」も聴いて見たいです。
こっちもなかなかいいですよ。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1994827

...蛇足ですが我がBlogのサーバはただいまメンテ中のようです.
(2006/2/16/22:00現在)
申し訳ありません。


Posted by: kossi | February 16, 2006 10:21 PM

>アドヒスタさん
毎回、有益な情報ありがとうございます。
現在Intel Macに対する物欲がむらむらと沸き起こっております。

>kossiさん
ただQC2の音質は価格ほどではないとオーディオファンは言っていますから、アップルストア等で体験してみてください。
ご挨拶が遅れましたが(笑)
Jazzファンではないので、とんちんかんなことを書いているかもしれません。
ぜひまたご指導ください。

Posted by: Sugar Pie Guy | February 18, 2006 01:56 PM

ふと思い当たったことがあったので----

この"Soul Junction"。
Red Garland(p)のリーダー作なんですが、文中にある通りコルトレーンが参加しています。

この逆パターン、つまりコルトレーンのリーダー作で、ガーランドがピアノで参加という作品に"Soultrane(ソウルトレーン)"がありますね。
ついでにガーランドには"Soul Burnin'"というアルバムもあります。
ソウル・ミュージックの著作権はやっぱりJazzにあるようです。

Posted by: Sugar Pie Guy | February 18, 2006 02:20 PM

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