君の名は Determinations
そうした謎に心をときめかせるのがソウル・ファンであるのだが、考えてみればおかしな話だ。
たかだか30年前の文明国アメリカでレコードという形まで残した連中のことだ。現地に行って尋ねてみれば「そいつは俺の親父だ」とか、「そこの店で朝から飲んだくれているやつだ」とか、ちゃんと生活や足跡がある筈で、海のこっちで勝手に謎にしているのにすぎない。
---という枕を置いて、今日取り出したのはデターミネーションズ。
ご多分に漏れず謎のグループで出身地もメンバーの名前もわからない。
LPがSpring系列のEventから1976年に出ており、そのジャケット写真から4人組とわかるだけだ。
ただしこのLPは相当なレア盤らしい。僕は現物にお目にかかったことがない。
僕が持っているのは日本で1992年にリイシューされたCD(センチュリー CECC00411)。
最近出た英国編集のコンピ盤に彼らが収録されているというのは以前に取り上げた。
上記で書いたとおり、LP収録曲の"That ain't the way"が未発表曲とクレジットされているのだが、付属のブックレットには彼らのLPが日本でCDになっているとちゃんと記載されている。
ここから、日本でのCD化の情報は伝わっているが、編者の手元にはないのだと推察される。
なぜなら、この"That ain't the way"は誰が聴いても、LP中の白眉であり、この曲があるからデターミネーションズの名が心に残ると言ってもいい。
そんな曲も入っていたなという程度のものじゃない。
つまりはリイシューCDもすぐに廃盤となり今では入手が難しいということなのだろう。
しかし情報というのは正しいほうが好ましい。
この英国編集盤が日本の「レコード・コレクター」誌の評に取り上げられ、そのまま「デターミネーションズの未発表曲を含む」と記されてしまった。
それは違いますよと編集部にメールをしておいたところ、今月号の編集後記で訂正文が掲載されていた。
たまさか僕が知っていたことで自慢にはならない。
むしろ、「へぇ、このCDも今じゃ珍しいんだ。買っといて良かったなぁ」という気持ちが強い。
デターミネーションズの紹介をもう少し付け加えておくと、"Who broke the bottle"というファンク・チューンでは声のバトルが聴け、彼らの実力が相当なものだったことがわかる。
アーロン・ネヴィルのクラシック"Tell it like it is"のカバーも収録されているが、これはあんまりスタイルに合っていない。
というわけで、誰かが調べればわかるのだろうが、デターミネーションズのメンバーの名は未だ不明だ。
ところで僕の本名は簡単にわかりますよ(「レコード・コレクター」誌の編集後記は123頁です-笑-)
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Comments
このCDが出ていたのを教えてくれましたね。 あれから、運良く中古でゲットしました。
>>デターミネーションズのメンバーの名は未だ不明だ。
えっ、判明されてますよ。
RooseveltとIrwin のPowell兄弟、Nathaniel Valentine、Leonard Colemanの4人です。
Posted by: Naoya | February 19, 2006 12:45 PM
>Naoyaさん
あっ!また書き飛ばしちゃった(汗)
この手のことを書くときは「僕には不明だ」と書かないと駄目ですね~(笑)
メンバーがわかっているってことは、活動場所もわかっているってことでしょうか?
Posted by: Sugar Pie Guy | February 19, 2006 04:44 PM
序に登場させて頂きます。。。
私、このLP持ってます。勿論、その日本盤CDも。このレコードについてはNYのMedia Sound StudioとバージニアのCaton Studioの2箇所で録られていますので、よって彼らはいずれにせよ東海岸周辺のグループだと思います。
Posted by: STD | February 19, 2006 06:52 PM