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Forever! Lew Kirton

LewKirton_ForeverLew Kirtonの新録の前で呆然としている。

今年のはじめに出たと聞いてから(リリース予告は昨年からあった)、ようやく入手することができ、期待のうちに聴き始めたが、僕の予想をj遙かに上回る内容だ。

あわてて彼のThe Invitations時代からの録音を聴きなおしたが、この新作"Forever"は過去のいずれの録音に対してもひけを取るものではないと思う。

もちろん80年代の録音に比べ声の衰えはある。
コンピュータに頼らざるを得ないバックのサウンドの脆さもある。
しかし、そんなことは彼の歌いぶりの前は些末に思える。
ソウル・ミュージックの価値は、その歌が聴く者の心を揺さぶるかどうかだけだ。

The Invitations時代、あるいはAlstonでの1stより上だと言っているのではない。
だが僕のなかでは同価値だということ。
そうじゃなかったらレコードやCDを集めることになんの意味があるだろう。

全10曲、バラード系ばかりで、彼が得意とするミディアム以上のリズム・ナンバーを聴きたかったとは思う。
ただし年齢を考えてほしい。無理に挑んで破綻したものを聴かされるくらいなら、これでいいじゃないか。

ルーは真っ向から歌っている。
意識的にギターやサックスのソロによる間奏を排除し、どの曲も頭から尻尾までルーの歌だ。
この姿勢に対し、僕はオーディオセットの前で鎮座し襟を正さざるを得ない。

タイトル曲の"Forever"。
意地悪いみかたをすれば、歌いやすい曲ではある。
歌い出しよりもフレーズの終わりに力を入れればいいメロディだから。
だが、彼が"But I'll always be just a fool"の"fool"に込める表現を聴けば、小賢しい分析は無用だ。
そして"I'll be your slave for rest of my days"というフレーズのなんと深いことよ。

この"Forever"はH-D-H作のマーベレッツが歌った古い曲。
レコード棚をざっと調べたところベイビー・ワシントンとドン・ガードナーとデュエットしたもの、あるいはマーサ&バンデラスがカバーしたものなどが出てきた。
しかし、今回のルーのものは、偉大なそれらのカタログと並ぶものだと確信する。

素晴らしい。
ルー・カートン。
この「ソウル一日一枚」、今日からしばらくは彼の録音をたどっていくことにしよう。

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Comments

Sugerさんご無沙汰でした、久々の登場です。
Lewの"Just Arrived"は昨年復刻になった時、Towerで見つけて購入しました。彼の事は知ってはいたのですが、無印でした。思っていたよりかなり良かったので、この新作も是非聞いてみたいと思います!

ただのコレクターだなんて誰も思ってませんよ、毎度コアな情報ありがとう!

Hidekichi

Posted by: Hidekichi | February 24, 2006 at 12:55 AM

私はこのCD、去年12月後半に手にしましたが、Sugerさんがおっしゃるように、一聴してバラードが多いなという印象を受けました。
しかしながら、どれも良いじゃない!と思いましたね。軽く歌っている様だけれどもソウルフル。
ただ、私だけかも知れませんが、ルーの声がどうしてもRon E. Beckの声とダブって聞えてしまうんです・・・。どちらも大好きな声ですけどね。

Posted by: nasa | February 24, 2006 at 07:43 AM

>Hidekichiさん

コアと言えるほどのものじゃないです。好きなものを、しつこく書き立てているだけ。
そして知らないことが多い----↓

>nasaさん

Ron E. Beck、ノーチェックでした。
情報ありがとうございます。さっそく聴いてみることにします。
"Soul Cry"という新譜でいいですかね?
この人タワー・オブ・パワーでドラムを叩いていたとか----
ルーもサム&デイブのバックバンドでドラムを叩いたことがあるそうで、ドラマー共通のなにかがあるのか(笑)!

Posted by: Sugar Pie Guy | February 24, 2006 at 07:53 AM

Sugerさん

そうです、そうです。"Soul Cry"です。
これはめちゃくちゃいいですよ。大のお気に入りの1枚です。

>この人タワー・オブ・パワーでドラムを叩いていたとか----
そうです、そうです!!Sugerさんのルーに関するコラムを読んでいてドラマー繋がりだなと思いました。(笑)

私はSugerさんの100倍、1000倍知らないことが盛りだくさんですよ。まだまだ赤ちゃんです。

Posted by: nasa | February 24, 2006 at 12:09 PM

とほほ----
シオシオのパー。

今日買ってきた「ブルース&ソウル・レコーズ」誌vol.68。
このアルバムがクロス・レビューでとりあげられていますが---

鈴木啓志さんは★★★(注:5つが満点)。
「ひとことで言えば、じれったい」として、タイトル曲はこれならば歌ってほしくなかったとも。
う~ん。

森島繁美さんは★★★+1/2。
「スローは少々ダレ気味に感じる」

ただし別頁のbsrpickupでは二井洋輔さんが★★★★と好評価。僕もこの点だな。
ただし、二井さんも、「一曲でいいから華麗なダンス・ナンバーを聴きたかった」。

その思いは僕も同じです。

Posted by: Sugar Pie Guy | February 25, 2006 at 12:22 PM

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