« 甘甘 Brucee D | Main | なんだ!Deep Velvet »

Wee Geeって誰?

WeeGeeソウル・ファンには知られた大名盤を取り上げるので、いつもにもまして余計な私事を書こう。

僕がソウルという音楽に惹かれたのは1980年代初頭の大学時代。
その頃、体にはまったく自信がないのだが給料が良いので肉体労働のアルバイトをしていた。
朝から夕方まで働き、日当5000円を貰う。
それをポケットに突っ込み、名古屋のセントラルパークという地下街の大型のレコード屋に寄る。
輸入盤が安くなった時期で洋楽を聴く人に売れたのだろう。ここには輸入盤のコーナーがあった。
そしてその一角に、仕入れたレコードのなかから売れそうにないものばかりを集めた500円均一コーナーがあった。

ここで黒人であれば、とにかく買った。
バイト代を半分使っても毎日5枚LPが買える。
このコーナーにあった黒人とわかるレコードはすべて買ったと思う。

今のようにネットや専門誌で評価をチェックしてから買うような不純さはなかった。
ただソウル、R&Bの音を浴びたかった。

今日紹介するWee Geeの1980年のCotillion盤もそうして500円で買ったものだった。
ただ買うときはけっこう悩んだ。
テンガロン・ハットをかぶっているし、カントリー&ウェスタンのレコードじゃないかと疑ったのだ。
Wee Geeという名前もなんとなくジーンズ・ブランドっぽいし。

ドラマティックスを知ったのは、このWee Geeを買った後だったと思う。
(ドラマスも500円コーナーで何枚か買っている)

しかし、このWee Geeがウィリアム・ハワードというのが本名でドラマティックスで"In the rain"を歌った人だと知るのは相当後だった。
その頃、僕にとってソウルの師匠だった先輩が、なにげなく「ドラマティックスってWee Geeがいたんだよな」と呟くのを聞いたときには本当に驚いたものだ。

長い思い出話になってしまった。

このLPの内容については言わずもがなだろう。
1980年にデヴィッド・ラフィンばりの歌を響かせる、デトロイトにおける最後のノーザン・ソウルの傑作としておく。

以来25年、僕はソウルに対する純粋さを失う一方、さらに不勉強もありWee Geeについてはなにもわかっていない。

ドラマティックス脱退後、勝手にフランチャイズではじめたもう一つのドラマス。
あるいはドラマティック・イクスペリエンスのお皿が何枚あるのか。
そんな基本的なことも知らない。
この機会にぜひどなたかご教授願いたい。

10年近く前、先にこの拙いブログに書き込みをして頂いたNaoyaさんと、Solid Solution(謎のデトロイトのグループ)が実は、そのドラマティックス・イクスペリエンスじゃないかと盛り上がったこともあった。
そのときは、鈴木啓志さんにNaoyaさんの知人が照会し、そんなことはないと一蹴されたのだが-----。

今日はおまけを何枚か紹介しておく。
まずこのLPのタイトル曲"Hold on to your dreams"をカバーしたLiving Proofというグループがいる。
知られているように彼らはExportationsと名乗っていた連中である。

これがその"Hold on to your dreams"カバーの12インチ。1986年作。
LivingProof_HoldOn
89年に出ているLP収録と同じミックスだと思うが、さすが12インチ、音が数段良い。

続いては僕が持っているなかでは一番新しいと思われるWee Geeの録音。
12インチで"In the rain"をリメイクしている。
WeeGee_InTheRain
"In the rain / Problems" (Earwax E.P.701)
録音年が不明。
80年代末期くらいだと思っているのだが、これについてもご教授願いたいものだ。

|

« 甘甘 Brucee D | Main | なんだ!Deep Velvet »

Comments

実際に自分の名前が出ていると恥ずかしい。

えっとまず訂正は、Wee Geeの名はウィリアム・フォードではなく、ハワードね。 それから、鈴木さんに紹介したのは、ソリッド・ソリューションズじゃなくて、ステップストーンズ/ステップトーンズだったと記憶している。

裏ドラは結局計2枚をリリースしただけでした。

リヴィング・プルーフがカヴァーしていたのは、知りませんでしたので勉強になりました。

Posted by: Naoya | February 10, 2006 09:47 AM

In The Rainのリメイクは、83年です。

偽ドラと同時期の75年10月には、William Howard名義で、Catに1枚ソロ・シングルをリリースしています。

WILLIAM HOWARD - COME TO ME / GIVE A HELPING HAND (CAT 1998)

↑がそのシングル盤。 その後、78年には、WEE GEE 名義で↓のシングルをリリースするが、この盤からLPが出るまでの間リリースされたシングル盤は、全てそのLPに収録されています。 

WEE GEE - YOU'VE BEEN A PART OF ME / INST. (JUNEY 533)

彼については、僕の所で紹介しているけど、ちょっとココではアドレスを書けないので、ご勘弁を。。

Posted by: Naoya | February 10, 2006 04:03 PM

Wee Geeの話は置いといて(笑)

セントラルパークには2件のレコード屋が有って南側の店にはたまに行く事が有りました。
それほどマニアックなレコードなかったのですが、たまたまセールに出くわした時ですか、テリー・ハフ&スペシャル・デリバリーを1000円を切った値段で出てまして既に持っていたにも関わらず買っちゃいました。
後にも先にも”分かっていて”2枚目を買ったのはこの一度だけですね。
その先は聞かないで。(^^;

Posted by: アドヒスタ | February 10, 2006 07:36 PM

>Naoyaさん
間違いばかりでお恥ずかしい。とりあえずWee Geeの本名は故人に失礼なんで本文を書き改めました。
いつもながらご教授感謝します。ブログのコメントだと失念しちゃうから、どこかに残しておかないと---
そうそうステップストーンでしたね。
前にも言ったのですが、僕はそのシングルを買うとき店主から「これはドラマティックスだよ」と言われたんです。
そういう話が広まっていたんだと思います。

>アドヒスタさん
ああいう大型量販店が穴場という時代はもう来ないでしょうね。
テリ・ハフが1000円!そりゃ買いです。
僕もシールドのままで一枚持っていますよ。

Posted by: Sugar Pie Guy | February 13, 2006 08:11 AM

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference Wee Geeって誰?:

« 甘甘 Brucee D | Main | なんだ!Deep Velvet »