早すぎる代表作 Willie Hutch
Motownに行く前、ハッチが23歳の頃の録音である。
おそらくこの盤をこれほど高く評価しているのは日本のソウル・ファンだけだと思う(違うかな?)。
未熟だった僕は(未熟さは現在進行形なんだが)、そういう評価を真に受け長いことこのアルバムしか持っていなかった。
Motownのニュー・ソウル的な曲を後から知り、別人のような違和感を持ったくらいだ。
当人にとっては迷惑な話だと思う。
自分の個性を開拓しコンポーザーとしてもミュージシャンとしても成功(ヒットもある)するのに、それを無視されているのだから。
ただし、おそらくはこの見方も違うのだと思う。
かってMotownで彼が活躍していた時代には、それを承知で初期のRCA時代がいいんだぞと先輩たちは教えてくれていたのだ。
誤った受け取りかたをした僕の未熟さこそ攻められるべきなんだろう。
長い前置きになったが、しかしやはりこのRCA盤は名盤である。
サム・クック・マナーを充満させながら、時にファンキーに、時にディープに様々なR&B/ソウルの可能性が底にある。
ウィリー・ハッチ23歳の洋々たる姿がここにある。
Soul Portrait Willie Hutch RCA LSP-4213 -1969-
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