Marvinから The Monnglowsへ
マーヴィンのLPで僕が最も好きなのが"Let's Get It On"。
"What's Going On"ほどの統一感はないが、素晴らしいメロディの曲ばかり、しかも収録時間は意外と短く30分ほど。
ちょうど通勤の電車に乗っている時間とほぼ同じなのがいい。
iPodでこのLPを聴きながら見る朝の街はちょっと違った景色に写る。
(もちろん寝酒をやりながら聴くのに適していることは言うまでもない)
このLPに収録の"Come Get To This"は"Please Stay"と並び、ヴォーカリストとしてのマーヴィンの巧さが発揮された曲だ。
マーヴィンは決して「偉大なシンガー」ではないが、スウィート系のシンガーとしてくくれば相当に巧いシンガーだと思う。
マーヴィンの歌についてはどうも過大評価と過小評価の両極端が多いのではないか。
さて、この"Come Get To This"、不思議な終わりかたをする。
妙に古い、50年代のドゥーワップ・スタイル。
それで思い出すのが、彼の出発点である。
1957年、The Marqueesのリードとしてハーベイ・フークワに認められ、フークワが率いていた、あまりにも有名なドゥーワップ・グループ、The Monnglowsに参加する。
The MarqueesとしてはOkehにシングルが一枚あり、またマーヴィンが参加したThe Monnglowsも"12 Months of the year"というシングルがあるそうだ(未聴)。
しかしこれは第一期The Monnglowsの最後でもあり、グループは解散。
フークワと共にマーヴィンはデトロイトのベリー・ゴーディJr.と邂逅することになる。
"Come Get To This"の最後をドゥーワップ・スタイルで終わらせたのは、そんなマーヴィンの経歴に関係しているのかもしれない。
そういえばThe Originalsにマーヴィンが書いた"The Bells"も、ちょいと古いドゥーワップ・スタイルだったし。
まったくの勘違いのような気もするが、そんなことを考えながら(そして酒を飲みながら)聴くのも、また一興じゃないですか。
ハーベイ・フークワは相当な才人でプロデューサーとして、またシンガーとして活躍した。
The Monnglows時代では「愛の十戒」(Ten Commandments Of Love)のリードを取っているのが彼だ。
今日取り上げるのは、1972年、オリジナル・メンバーによって再結成されたThe Moonglowsのアルバム。
"The Return Of The Moonglows" The Moonglows (RCA LSP-4722)
お月様が歌っているというジャケットがチャーミングで、よく見ると黒い雲がアフロヘアーになっている。
(画像をクリックすると拡大するのでご覧いただきたい)
なんとフィリー録音、ロン・ベイカー(b)、ノーマン・ハリス(g)、ボビー・イーライ(g)、アール・ヤング(ds)という例の最強メンバーがバックをつけている。
内容はどうしてもオールディーズ向きになってしまうが、それでもしっかりとしたもの。
名曲"Sincerely"を後半ダンサーにしているのがけっこう気に入っている。
なおThe MonnglowsはChessから出ている2枚のLPが必聴。
さらにトリビアを書いておくと、Chessの傍系Checkerからシングルを出しており、そのときはThe Moonlightersという名義だった。
(これは昔P-Vineから出ていたChessのドゥーワップを集めた二枚組LPに入っていた)
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