偉大なるマンネリ The Whispers

ウィスパーズの新作。前作は8年前だった筈だ。

8年間というのは長い。
（ビートルズがデビューして解散するまでのタームですから）

歳もあるし力はがたーっと落ちているんだろうなと、失礼な予測をもって聴き始めたら、これがなんと昔のまま。
もちろん80年代のSolarサウンドじゃないんだが、スコット兄弟のスムースな歌を聴いているとあの時代へタイムスリップしたようだ。

コーラス・グループとしてのウィスパーズの魅力は、Solar以前のイナたいウェスト・コーストのローカル・グループ然とした次期にこそある----という論は確かに正しいのだが、80年代のきらきらと光輝いた時代の素晴らしさを認めないわけにはいかない。

ふと、ソウル親父が遠い目になってしまうのだが、あの頃のデートには自家用車+カーオーディオというのが演出が絶対必要で、そのムードを高めるために必殺編集のウィスパーズのカセットテープを一本常用していた。
夜のドライブには最適なんだな。

そんなお世話になったウィスパーズが、まったく変わりなくここにいる。

これは大変なことですよ。
推測なんで、全然違うかもしれないが、皆さん危ない薬物には手を出さず、アルコール・喫煙も節制してるんだろうと思う。

内容的には際どいことを歌っても、ちっとも淫靡にならないのが彼らで、メイジャー・ハリスの"Love won't let me wait"を歌っても、まったく清清しいものだ。
水清くして魚住まず、ってこともあるが。

かって彼らはダニー・ハサウェイへの思いを歌ったことがあるが、今回はその名も"Get it on"という曲でマーヴィン・ゲイを取り上げている。
マーヴィンからはじまり、あの頃のソウルを聴き続けようという主旨で、サム・クックの"You send me"も歌いこまれている------
というわけで、明日はまたマーヴィン・ゲイを取り上げる予定。