勉強だ! QJ
QJは音楽をメインとしたサブカルチャー誌だと思う。
意識してそうしたのか、売れ行きに引きずられたのかvol.58でサンボマスター特集をやっていながら、また今号もサンボ特集である。
さらにvol.62は山下達郎特集で、彼の顔のアップを表紙に持ってきた。一種の呪詛である。そしてそこをも引き継ぎ、今号は大瀧詠一とサンボマスターの山口隆とのロング・インタビューが目玉企画となっている。
さて、私事だが、歳をとるに従ってますます狭量になってきていると自覚している。
若いときは、ポピュラーミュージックならなんでも聴いてやろうという意欲があった。
そのうち「ロック以外は」という但し書きがつくようになって、気がつくとアメリカン・ブラック・ミュージックのほかには何も聴かなくなってしまった。
そういうカタブツの身にとって、今号のQJに掲載された「山口隆・選洋楽アルバム130」は非常に刺激的だ。
ざっと数えてみると、ソウルが15枚選ばれている。
ファンク、ブルース、ジャズ、ヒップホップは別にカテゴライズされているのでアメリカン・ブラック・ミュージックで6割以上になるだろう。
そしてそのソウルにしても何と自由なことよ。これが若さということかと嘆息する。
マイアミソウルが選ばれながら、デトロイトやシカゴが抜け落ちている。
サザンソウルはメンフィスのみ。
しかし、そんな全米カタログではない、ちゃんとソウルの魅力を掴んだ人のチョイスだということははっきりとわかる。
彼は大瀧との対談のなかでこう言っている。
「僕らはよくロックとソウルの融合って音楽雑誌に言われるんだけど、そういう奴に限ってソウル・ミュージックなんて絶対聴いちゃいないんだから。」
僕はソウル・ミュージックをちゃんと聴いているだろうか?
それ以上に音楽をちゃんと聴いているだろうか?
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Comments
Quick JapanのサンボマスターVS山下達郎の対談はおもしろかったですが、後半の達郎インタビューの編集者の自意識過剰さかげんについていけなかったです。
それでも大瀧詠一を引っ張りだしてくるあたりは凄いなと思いましたが、あれはナイアガラ・トライアングル再発(?)盤の宣伝のつもりだったのかなあ。
Posted by: よしき | May 15, 2006 11:49 PM
>よしきさん
山口vs大瀧のインタビューでは、終始大瀧が意地悪く攻め立てています。
これは、意図的にかっての「日本語ロック論争」の、内田裕也とはっぴいえんどのやり取りを再現している(もちろん洒落で)のではないか。
↑
深読みしすぎなんでしょうが、そう考えると楽しい。
この対談のなかで「俺も日本語でロックができるなんて思っちゃいなかった」という意味のことを言っているのが興味深かったですね。
Posted by: Sugar Pie Guy | May 16, 2006 11:09 AM