前作 Bay Area Funk
古いソウル/R&Bのなかでもブームがある。スウィート・ソウル、P-Funk、フリー・ソウルといったジャンルが脚光を浴び、無名だったレコードが驚くほどの高値になったりした。そして今の流れはファンクだ。
ここでいうファンクは、P-Funkでも、JBでも、スライでも、もちろんE,W&Fでもない。7インチシングルを主戦場とする、つまりマイナーなバンドやシンガー。
ファンクはワンコードが延々と続くシンプルな楽曲である。テクニックがなくても演奏として成り立ってしまうところがある。大事なのはリズムなのだが、個々のメンバーが多少怪しくても全体としての勢いがあればいい。
もちろんそんなレベルのファンクは二流だし、これまではよほどのソウル・ファン以外ゴミ同然の扱いをしていた。
ところがブームに気づいて聴いてみると、これがいいんだな。下手な連中でも、そこは黒人であり、そして時代の勢いがある。なんとも下世話なグルーブがある。
この感覚は60年代のサーフィン&ホットロッドのガレージ・バンドに近いようにも思う。(無茶苦茶下手くそなバンドが輩出した。普通に聴くとがらくただが、一度はまると抜けられないらしい)
これまでは未開拓のジャンルがブームになったということで、コンピレーションCDもいくつか出ている。
そのなかでも出色の出来が今日紹介する「ベイ・エリア・ファンク」。
Bay Area Funk various (Luv N'Haight LHCD043) -2004-
なにせ知識が不足しているのでファンクと言えばオハイオ=中西部というイメージだったのだが、サン・フランシスコ、ペニンシュラという地帯にもあったんですねぇ。
どれも同じようなワンパターンという思いこみも全く違っていて、オルガンを使ったり、ワウワウギターをメインにしたり、ホーンだったり、歌があったりとバラエティに富んでいて聴いていて飽きない。
すっかりこのブームに舞い踊らされてしまった感がある。
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