奇跡か? Isley Brothers
前作はR.ケリーの全面的なバックアップだったが、今作では彼がプロデュースしているのは一曲のみ。
年齢を考えてもR.ケリーに支えられてなんとか形を保ったように思っていたが、とんでもない勘違いだった。彼ら(二人だが)は十分に現役であることを証明している。
Baby Makin' Music The Isley Brothers (B0004812-02) -2006-
それにしてもミスター・ビッグスことロニー・アイズレーのこの声の張りはなんなんだろう。ちょっと前には体調を崩し危ないような話も伝わってきたが、この声は30年前とまったく変わっていないのではないか。
前作ではギターが殆ど聞こえず心配したが、アーニーも健在のようだ。
※知人のよしきさんはR.ケリーがアーニーのギターを好きでないから起用しなかったと推察していたが、本当かもしれないと思えてきた。
もちろん全盛期の彼らとは違う。(そもそも二人だしね)
まず彼らの一つのトレードマークだったファンクがない。さらにバラードがエッチ臭くない。清々しいほど清潔。
この二つの変化でかろうじて、彼らが若くないことに気がつく。
ベストチューンは"Just Came Here To Chill"だと思う。
今回の新作を買おうかどうか迷っている人には、ひとまずこの曲だけでもぜひ聴いてみてください。
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Comments
どもです~。
ちょっとつけたしますと、R・ケリーはアイズレー・ブラザーズをプロデュースする「意味」をはき違えている、というか、彼らの魅力をはき違えている、というか。
もちろんケリーがアイズレー・ブラザーズに影響を受けたことは間違いないところだとは思いますが、前作は単なる「R.Kelly featuring Ronald Isley」でしたから。
それはちょっと違うんじゃないかなと。
自分の色を出しつつ、アイズレー・ブラザーズのいいところを出さないと意味ないと思うんですよねえ。
その前のアルバム「Eternal」に収録の、ジャム&ルイスが制作した「You're All I Need」の70年代メロウ・アイズレーの再現っぷりを聴くと、R・ケリーはどうなのかなあと。
ワタクシ「You're All I Need」を聴いて、ジャム&ルイスを見直しましたもん、マジで。
Posted by: よしき | June 17, 2006 01:29 PM
>よしきさん
キース・スウェットもそうだけど、天才にありがちな「自己愛」が強いんだろうね。
二人とも他人のプロデュースをしていても、我慢ができなくて自分の歌を入れたりしちゃう。
あとR.ケリーに関していえば、彼自身も下降時期があって(未成年との淫行問題とかもあり)、アイズレーのプロデュースで見直されたっていう雰囲気はありましたよね。
悪く言えば「踏み台に使った」ということかも。
"Chocolate Factory"以上の作品を彼が作ることができるのかについては興味津々です。
そうそう、似たような例でボビー・ウォマックがマンハッタンズをプロデュースしたのもあった。
あれも途中でボビーが歌い出して---好きになれなかったなぁ。
Posted by: Sugar Pie Guy | June 18, 2006 08:04 PM