なんじゃこれ? Isley meets Bacharach
バート・バカラックの書く曲は大好きだ。余談だが「失われた地平線」という70年代の映画がある。何度も映画化されているが、オリビア・ハッセーが出たミュージカル仕立てのバージョン。この映画のサントラLPは昔、随分探して買った。
バカラックの映画サントラでは「何かいいことないか子猫ちゃん」とか「カジノ・ロワイヤル」が知られているが、これもいいですよ。
そしてもちろんロナルド・アイズレーが嫌いなわけがない。
だが、この両者が出会ってしまったら?つまりロニーがバカラックの曲を歌ったら、どんなことになるのだろう。
こんな馬鹿なことを普通の人は考えない。それは水と油のように、あるいはtwo way streetのように交わるはずがないからだ。ところが、それを考えた人間が二人もいた。
Here I Am Isley meets Bachrach Ronald Isley (DreamWorks B0001005-02 IN01) -2003-
実はこのアルバムにはしばらく手が出ないでいた。
あまりに聴くのが怖すぎる。
天然物の若鮎の塩焼きを、チーズ・フォンデュにして食べるような感じ----もしかして、うまいかもしれないと思うと余計に怖い。
1. Alfie
2. Raindrops Keep Falling on My Head
3. In Between the Heartaches
4. Make It Easy on Yourself
5. House Is Not a Home
6. Look of Love
7. Count on Me
8. This Guy's in Love With You
9. (They Long to Be) Close to You
10. Anyone Who Had a Heart
11. Love's (Still) The Answer
12. Here I Am
13. Windows of the World
ところが、まさにその悪い予想が的中?
これがいいんだ。
ロニーの歌が驚くほどバカラックの曲にあう。あのアイズレー・ブラザースのミスター・ビッグスが----という先入観が最初は居心地悪く感じさせるが、聴き進むと、その巧みな歌に違和感がなくなっていく。
このアルバムが素晴らしいのは、バート・バカラックがプロデュース、アレンジ、そしてオーケストラの指揮もしているからだということがあると思う。
実は両者の個性ががっぷりと四つに組んだわけではなく、バカラックの総監督の下でロニーはシンガーに徹している。それが良い作用をもたらせている。
R&Bでもソウルでもないが、この組み合わせに興味があるのなら聴いて損はない。
僕と同じように怖くて敬遠していた人がいるかもしれないので、強調しておこう。
※7と11は新曲。21世紀になってバカラックの新曲が聴けるというのは耳福也。
The comments to this entry are closed.
Comments