« Dramatics "Be My Girl" !! | Main | やるなこいつら 1801 »

イエローソウル Human Soul

Humansoul ソウル・ミュージックとR&Bは明確な違いがある。

 R&Bは音楽のジャンル、いっぽうソウルは黒人によるR&Bのみを言う。だから白人がソウルに近いことをすればBlue Eyed Soulと呼ばれたわけだし、現在チャートのジャンル名にソウル(=ブラコン)が遣われずR&Bが使われる所以である。
 現在、日本の歌謡界にR&Bの影響は強いが、そんなわけでソウルと呼べるものはない。
 しかし過去において、最もソウルに近づいたグループがいた。そのグループHuman Soulのカバー集を今日は取り上げる。

Quiet Storm For Lovers Human Soul (GC-4) -1992-

 このアルバムは全曲カバー(For Lovers Onlyのテーマ部分だけはオリジナルだが)。

Me & Mrs. Jones - In The Rain
Betcha By Gollly, Wow
My, My, My - Rock Me Tonight
For Lovers Only
 Love On A Two Way Street
 Take To The Limit
 There's No Me Without You
 Kiss And Say Goodbye
You Don't Have To Be A Star
God Bless The Child
A Song For Donny

 Human Soulはコーラス・グループではなく、バックの演奏陣まで含めた名称だと理解している。
 サウンドもソウル独特のグルーヴが感じられ「知っているな」という感を受ける。

 歌の中核はJAY公山とSILKY藤野の二人で、藤野のファルセットは日本人離れしている。裏声がキンキンせず、甘さがある=黒人に近い。公山は、おそらくテナーの声質なんだと思う。歌によってバリトンの声域まで下りてきている。残念ながら、ややその音域では「がなり」がみられ黒人とイコールとはいかない。しかし、その心意気に熱いものを感じる。(公山はその後ゴスペル界で名をあげていく)

 Human Soulについて僕はあまり知っているわけではなく、彼らの本領はカバーではなくオリジナルにあるとも聞く。
 ただこのカバー集の選曲が素晴らしい。
 ジョニー・ギルの"My,My,My"から、フレディ・ジャクソンの"Rock Me Tonight"へ行くというのは80年代から90年代のブラコンを象徴しているし、さらにメドレー"For Lovers Only"のなかで、モーメンツからR,G&Bの"Take To The Limit"へいくのには我が意を得たり。(大きなヒットにはならなかったが、この曲はR,G&Bのスウィート美学の頂点だと思う)

 最もソウルに近づいた連中、彼らをイエロー・ソウルと呼んでも差し支えないのではないか。

|

« Dramatics "Be My Girl" !! | Main | やるなこいつら 1801 »

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference イエローソウル Human Soul:

« Dramatics "Be My Girl" !! | Main | やるなこいつら 1801 »