ヨレ男 Reginald Haynes
エスコーツ、あるいはレジナルド・ヘインズは実に不器用だと思う。
まずレパートリーが少ない。たまたまレコードとして残っているものがそうだからなのかもしれないが、カバーが多く、しかも何度も再録音する。
さらに、レジーのジャケット用ポーズは両こぶしを構えたボクサースタイルであることが多い。1992年のアルバムでもそうだったし、このソロ・アルバムの裏でもそうだ。
On wings of love Reginald Haynes (Escort 001) -1986-
考えてみれば不器用だから犯罪に手を染め、刑務所暮らしを余儀なくされたんだろう。そして、その不器用さはレジーの歌にも現れている。
いつもこの表現ばかりだが「ヨレて」いるのだ。
あのポーズからして、ボクサーあがりでパンチ・ドランカーの症状が出ているのかもしれないとすら思える。
しかし、そのヨレがスウィートさに直結してるので、もしぴしっと折り目正しい歌いかただったら、おもしろくないシンガーで終わっていたろう。
また彼は、ある点で真面目なんだとも思う。
このアルバムを出したレーベルをEscortとし、92年の復帰アルバムでも、このソロ・アルバムで歌った曲をグループで吹き込み直している。離れてもエスコーツにこだわり続けていたということだ。
だが、それにしてもジャケットに描かれた女性は何者なんだろう?ロッテンマイヤーさんみたいな怖さを感じるんだが。
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