エースのジョニー Johnny Ace
うまいんだか、下手なんだかわからない。R&Bなのかブルースなのかも曖昧。ジャンプしまくるというわけではなく、さりとてバラディアと呼ぶには陰影がありすぎる。
だが彼でなくてはならない表現がある。
代表曲"Pledging My Love"、どんなカバーも、ジョニーの朴訥とした歌を超えられない。
朴訥と書いたが、彼の歌にはソウル的な表現が殆どない。時代的に当たり前なのだが、しかしその不器用なまでのストレートな歌から、なぜかモダンな香りが立ち上ってくる。
彼は自業自滅としか言えない死に方で短いキャリアを終わってしまうが、もし60年代70年代まで生きたら、優れたソウル・シンガーになっていんじゃないだろうか。
僕は、朴訥と思える彼の歌に際だった個性を感じる。時代を変える力をもったスタイリストだったと思う。
カーティス・メイフィールド率いるインプレッションズは、ABCパラマウントでの1stアルバム(新生3人組の事実的に、これがカーティス&インプスのスタート)で、ジョニー・エースの"Never Let Me Go"をカバーしている。
「ソウル・ミュージック」を作った偉人の一人カーティスは、ジョニー・エースに何を感じていたのだろう。
Memorial Album Johnny Ace (Duke)
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Comments
Johnny Ace と言えば73年の米映画Americn Graffity の一シーンで眼鏡の兄ちゃんテリーがナンパする台詞でジョニー・エースのレコードを持ってるとか言っていたのが強く印象に残っています。当時はブランドやジュニア・パーカーたちの同僚で彼らほどブルースマンでなく、より子供向けのポップスっぽい、しかしあくまで黒人間でのアイドルという風に思っていたため白人のロックンロール坊やにも絶大な人気があったのかと感心したものでした。
Never Let Me Go はImpressions ヴァージョンを先に聴いて凄く気に入っていたのでジョニーのオリジナルにはあまり馴染めませんでした。Pledging My Love とかMy Song は全くOK でしたけどね。
My Song はDinah Washington もカバーしていますね。ジャズ評論家はこの曲とかSuch A Night などのR&B系の曲のカバーをとるに足りない駄曲をさすがDinah は、、、というような具合に不当に貶めていますね。逆に白人ミュージカルの小唄やトーチ・ソングのカバーは絶賛というわけで、げに差別意識とは恐ろしいものである。
Posted by: frisco | August 12, 2006 09:36 PM