これぞブルース Lightnin' Hopkins
ライトニン・ホプキンスのヘラルド録音。
ジャケットはあまりに有名で、ライトニンの代表作ということは知っていた。しかしこれほどだとは----
Lightnin' And Rhe Blues Lightnin' Hopkins (P-Vine PCD-23783)-1954-
ライトニンは再発見後の録音はいくらか聴いているが、それ以前を聴いたことがなかった。
※再発見というのは60年代の英国発ブルース熱によって、過去の人というか、殆ど誰も知らなかった黒人達が表舞台に引っ張り出されたことを言う。本人たちにすれば、はなはだ失礼な表現だが。
ライトニンは死ぬまで一定のボルテージを維持し続けたと評価されているので、僕も安心していたのだ。
実際、有名な赤い握りこぶしジャケットの"Mojo Hand"にしても、悪く言えば再発見後の白人リスナー向けにアコースティック・ギターを抱えた録音なのだが、そのテンションは大したもので、こういう親父はどんな状況でも変わらないんだなと納得していた。
しかし、この1954年のヘラルド録音を聴いてみると、やはりビンテージ期だなと唸らざるを得ない。
ベースとドラムを従え、手癖まるだし、うまいんだか下手なんだかわからないエレクトリック・ギターをかき鳴らし、唸る。この唸りが、歌になっているところがソウル・ファンでも聴ける理由だと思う。単に汚い声で唸っているのとは違うのだ。
音が良いのも嬉しい。(たとえばジョン・リー・フッカーが最高なのは再発見前のKing録音だとされているのだが、音が悪いんだよなぁ。)
古いブルースはどうも、と手が出ないソウル・ファンにもお薦めできる。
それにしても、ここに収録されている26曲全てが、テキサス州ヒューストンで1654年4月のたった二日間行われたレコーディングの産物だという事実に舌を巻く。
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