濃いメンバー Original Drifters
25年ほど前のことだが、シャネルズ(後のラッツ&スター)が流行った頃、「ドゥーワップ・カーニバル」というコンサートが開かれ、シャネルズはもちろん、シュレルズやこのドリフターズが歌うというので見に行った。
会場で売られていたパンフレットは湯村輝彦が表紙を描いており、桜井ユタカさんはじめ濃い執筆者によるドゥーワップの解説が載っていて、ずいぶん勉強になった。
そこに書いてあったのが、その当時でドリフターズを名乗るグループは3つあったそうだ。というわけで今日紹介するグループがオリジナル・ドリフターズとなっているのは「元祖ドリフターズ」という意味で、ほかに本家とか総本家とかあるのかもしれない。
Peace In The Valley Bill Pinkney & The Original Drifters (Blackberry BBD-164)-1996-
メンバーを見ると---Bill Pinkney、Greg Jhonson、Vernon Young、Richard Dunbar。
本当だ。ナイト・ブラザースの一人Richard Dunbarがちゃんといる。歳格好からするとジャケット前列右の男だろうか(ジャケット画像をクリックすると拡大します)。
内容はゴスペル。ドリフターズ(漂流者)のくせに福音を説いているのはちと妙だな。
しかし、このアルバムの価値をなにより高めているのは、アリ・オリー・ウッドソンが一曲歌っていること。"True Love"という曲で、テンプス時代の代表作"Lady Soul"に似た曲調。
アリについては宇宙一のファンであろうLazy Juncoさんのサイトで、Juncoさんがアリのベスト10にこの曲を入れているほどだ。
本音を言うと、ベスト10はちょっと疑問。彼の豪放であり、かつテクニカルな歌が爆発しているが、やや声の艶が足りないように思う(ほんのちょっとだが)。アリは、時期によって声の艶が良くなったり悪くなったりし、いよいよ駄目かと思うと、次には復活しているという実にファンを心配させるシンガーだよね>Juncoさん。
ところで、昨日紹介したナイト・ブラザースのブックレットには2004年時点でのオリジナル・ドリフターズの写真とメンバーが掲載されている。Richard Dunbarはちゃんといるが、さらにクライド・マクファターの子供まで参加している。ほかにもどこかで聞いたような名前のシンガーがおり、なかなか興味深い濃いメンバーから成るグループである。
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