最高にスリリング Southen Sons Quartette
ゴスペルはソウル・ミュージックの源である。ただし当の黒人にとっては両者は明確に異なる。神を称えるか、女性に愛を囁くかという違いは、信仰が深いほど大きな隔たりを見せる。
その違いがなかなか我々日本人にはぴんと来ないのだが、ひとつ確かなのはソウル・ファンでゴスペルを熱心に聴く人は少ない。なかにはオールマイティなファンもいるんだろうが、僕もその例外ではなく、どうもゴスペルには二の足を踏んでしまう。
しかし今日取り上げる、サザン・サンズ・カルテットはソウル・ファンにこそお薦めできる。
とにかくスピーディ、激しいリズムをコーラスだけで作り出していく。その声のバトルは、破綻すれすれのところにある。このままいったら、どうなっちゃうんだろうという臨界点を突っ走る。つまりスリリングなのだ。
これが時代の勢いなんだろう。やはりビンテージ期のカルテット(ゴスペルのカルテットは必ずしも4人編成を指さない)は別格ということか。
ところでこのグループにはロスコー・ロビンソンが在籍していた。ちなみに昨日紹介したスピリッツ・オブ・メンフィスにはジョー・ヒントンがいた。共に全盛期の主要メンバーではなかったようだが、それでもそういうネタを知ると、ゴスペルも身近に感じられる。
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