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損なジャケ Charles Drain

Charlesdrain その男が残したアルバムはたった一枚。しかしその充実度は尋常ならざるものがある。名はチャールズ・ドレイン。

 The Tabsというグループに在籍し、Vee Jay、Wandなどに録音はあるものの、ソロとなるとCheckerにシングルが1枚、あとはこのRCAでの録音でメジャーを離れてしまう。(その後、インディでの録音があるようだが未聴)

Dependable Charles Drain (RCA APL1-1414) -1976-

 チャールズ・ドレインのシンガーとしての力量は大したもので、一本調子のようで、なかなかどうして巧みにいろいろなスタイルを歌いこなす。それが逆に、この人でなければならないというアイデンティティに欠けるように受け取られるもしれない。

 しかし、このアルバムの充実度は凄い。
 70年代のソウルというのはシングルが中心で、アルバムを真剣に作るという風土に欠けている。アルバムを通して傑作揃いというものは意外と少ないのだが、これは違う。

 制作にマイケル・ラブスミスが加わっている。彼は70年代初期のスウィート・ソウルから、80年代のブラコンまでを走り抜けた重要人物だが、彼の名を高らしめているのが、このチャールズ・ドレインのアルバム。

 チャールズ・ドレインはセントルイス出身とのことだが、"Only You"はデトロイト・マナーたっぷりのノーザン・ダンサー。ずばりHot Wax / Invictusサウンドの再現となっている。
 バラードでは"What Good Is A Love Song"が滋味にあふれ、そしてその他のミディアム・ダンサー群がどれも聴きもの。

 成否はともかく、ヴァン・モリソンやキャロル・ダグラスのカバーも含み、広範なセールスを狙ったように思えるが、ただジャケットが悪すぎる。もうちょっと色気が出せなかったものだろうか。内容が素晴らしいだけに、なんとも惜しいように思う。

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