メロウ良盤 Freddy G.
フレディG.なる男、元ジ・オリジナルズのフレディ・ゴーマンだという。そうだとすれば相当な歳でしょ。オールディーズ回帰の浪花節だろう----そんな予想を見事に覆す、メロウでスウィートな、充分現代的なアルバム。
It's All About Love Freddy G.(Rene Records RR1279) -1997-
フレディ・ゴーマンは名シンガー(それはたとえば、ドラマティクスにおけるレニー・メイスのような存在)であると同時に、ライターとしても優れた才能を持っている。
彼の作った最大の有名曲が、マーベレッツが歌った古典「プリーズ・ミスター・ポストマン」。
というわけでこのアルバムの冒頭の"F.G.'s Theme"はメロウなサウンドに載せ、女性MCが彼の業績を語っていく。先の「プリーズ~」を歌ったビートルズやカーペンターズ、そしてオリジナルズとは因縁浅からぬマーヴィン・ゲイなどの名を挙げていく。
このパターンは"Back N' Tha' Day"という曲でも使われており、こんどはフレディ自身によって、かってのソウルの時代の仲間の名を読み上げていく。ジョニー・ブリストル、ラモン・ドジャーら、どちらかと言えばフレディと同じような位置でモータウンと関わりあった人々の名も挙げられていくのが興味深い。
懐古的なネタを先に書いてしまったが、そんなソウル親父の郷愁などなくても、優れた楽曲が続く。ライターという才能を持つがゆえに時代を超えた調和ができるのだろう。
マーヴィン・ゲイの"Good Is Love"をカバーしているが、これが実にマーヴィンのマナー。続く自作の"God Is Good"がアンサー・ソングになっている(と思う)構成もぐっとくる。
アルバムとしてまとまった傑作とまでは持ち上げないが、スウィート・マナーのたっぷりつまったメロウ良盤なのは間違いない。
長々と続いたThe Originalsネタもとりあえず今日でおしまい。初期のアルバムは?あるいはモータウンで次々と発掘されている未発表曲は?それはまたいつかの機会に取り上げよう。
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Comments
あーこれいいッスねえ。
これを聴いてからオリジナルズを聴きました(笑)。
Posted by: よしき | November 05, 2006 11:38 PM