ソウル?ブルース? Harold Burrage
その昔、僕がソウルを聴き始めた頃(う~ん四半世紀も前だ)、オーティス・クレイの来日ライブ盤を聴くというのは日本のソウル・ファンとして基礎的な素養だとされていた----間違っているかもしれないが、僕はそう思い込んでいた。
そのライブ盤の一曲目が"Got Find A Way"。イントロにあわせオーティスがハロルド・バラージュと自分の関係を喋り、「彼はこんな風に歌っていた」と言ってから歌に入る。
痺れましたね。ソウルの神ではないが、使途の一人であるオーティスがそこまで語るハロルド・バラージュとは何者なんだ?
その答え(?)がこのOne-derful!録音。P-Vineが出してくれたLP。
しかし、その感触はなんとも微妙というのが本音。
時代的にソウル・ミュージックじゃない。
といってシカゴ・ブルースでもない。カテゴライズすればR&Bとしか言いようがない。ただ僕がイメージするアーリー・ソウル直前のR&Bとはかなり雰囲気が異なる。
ずばり言えばソウル的な感覚があるのだ。
ソウル・ミュージックの起源は、サム・クックや、ジャッキー・ウィルソンに求められ、また黒人公民権運動とセットで語られるべきものだが、しかしそうした象徴性はないものの時代がソウルを求めていたのではないだろうか。サム・クックが決意をもってゴスペルの河を渡ったとすれば、ゴスペル河の水が溢れR&Bの大地を侵食しつつあったと言えるかもしれない。
などと小難しい屁理屈をこねたが、ハロルド・バラージュの音楽そのものは重苦しさのない聴きやすいもの。冬の夜のひとときにこうしたレコードをまわしてみるのも一興ということで。
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