もう一人の男 Roger
ソウルを聴き始めた頃、当時最新のムーブメントと言われていたのがZappでありロジャーだった。
どんなもんだろうと購入して、それぞれ挫折。なにが良いのかさっぱりわからなかった。
The Many Facets Of Roger Roger (Warner Bros. BSK 3594)-1981-
ソウル/R&Bというのは生音+歌と思っていたのに、テクノみたいな音で、これは駄目だと放り出してしまった。
JBはすぐに魅力がわかったのだが、Zappをちゃんと聴いたのは何年もたってから。
ご承知の通り、彼らは一見テクノロジーをまといながら、リズムは人間が刻む。それがミスマッチとなり強烈なグルーブを与えるのだが、情けないことにそれを聞き取る耳がなかった。
一回その魅力がわかると逆にはまってしまったのはJBと同じ。
このソロ・アルバムについて言うと、Zappというグループとは表層がそっくりなので惑わされてしまうが、ちゃんとロジャーのソロとしてのアイデンティティがある。グループでできない表現がある。
いっぽう共通しているところもある。
それはカバー。
グラディス・ナイト&ピップスのモータウン・クラシック「悲しい噂」を演奏している。
Zapp及びロジャーのカバーというのは、相当に意識的なものだと思う。
○誰でも知っているソウル・クラシック
○しかも、Zappのサウンドには不向きと思われる曲
この2点をはずさない。「えっあの曲がこんな風になるの!」というリスナーの驚きを提供することにこだわっているのだと思う。
エンターテインメントであり、ロジャーの意地すら感じる。
ロジャーのライブは一回観に行ったが楽しかった。名古屋の「クアトロ」だったが翌日のライブのために前泊していたのだろう、鈴木博之が会場にいたのを覚えている。
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