アイデア勝ち The TemptationsのDVD
日本語盤は高いので、輸入盤を買ったのだが、半分くらいを占めるオーティス・ウィリアムスの語りがよくわからない。なにか大切なことを喋っているんじゃないかと、やきもきする。
しかし、まあそんなことは重箱の隅に過ぎない。
そのくらい往時のテンプスの映像はパワフルで圧倒的。
改めて、全盛期の彼らは空前絶後のソウル・ユニットであったことを肝に銘じた。
このDVDの凄さは、いろいろなところで語り尽くされた感があるので、「凄いよ」と言うだけに留め、「その手があったか」と感心したボーナス映像について書いておく。
収録された60~70年代の音楽映像の常で大半が口パク。(口パクなのに「凄い」のだから、心胆を寒からしめるのだ)
これを逆手にとり、ボーナス映像はテンプスのア・カペラが映像つきで楽しめるのだ!
仕組みはこう。
モータウンはしっかりしたもので、ちゃんと録音トラックごとに保管されている。まずバックの演奏がないヴォーカル・トラックだけを抜き出す。それを映像にあわせると、なにせ口パクだから、ちゃんとシンクロする。
かくて、映像付のア・カペラ集ができるという寸法。
ここではっきりと宣言しておくが、そもそも僕はア・カペラが好きじゃない。バックのサウンドと絡みあってこそのソウル・ミュージックだと思っているから、まあ毛色の変わった余芸として小品をアルバムに入れるくらいならいいが、正面きってア・カペラでございとやられると、どうにも尻の居心地が悪い。
しかし、さすがテンプス。格が違う。
ア・カペラで聴くことで彼らの巧妙なコーラス・バトルもはっきりと聴くことができ、なんとも素晴らしい。
こんな手があったとは----しばし唸ってしまう。
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