これも奇っ怪なジャケ The New Sounds
加えてグループ名が情けない。ニュー・サウンズとは、スケールが大きすぎて空回り。そしてこの、とりつくしまのないジャケット。
なんの知識もなければ、エレクトーンの演奏盤(そんなレコードが1960年代にはよくあった)くらいにしか思うまい。
ところが中身は大充実。いや決して名盤というのでもないが、そのディープなムードはソウル・ファンならぐっと来るはず。
The New Sounds The New Sounds (Turbo TU-7002)
こうくると謎のグループのようでメンバー名はちゃんとわかっている。ジャケット裏にずらずらと10名くらいが書かれていて、この連中は単なるコーラス・グループではなくバンドだということがわかる。ただし、その前に1955年にバージニアでThe Jiversというグループを組んでいたのが母体だと書いてある。時代的にはドゥーワップの頃で、そのときからバンドだったとは考えにくい。
プロデュースはスウィート大王ジョージ・カー。
そして昨日紹介したSkull Snapsと"Having You Around"を競作させている。そこで書いた通り、Skull Snapsは甘い雰囲気があるが、こちらは硬派。サウンドは確かにニュー・ジャージー産だが、歌の深さはただごとじゃない。
さらにこれに準ずる佳曲が並び、鈴木啓志さんをして「オール・プラティナム/ターボ系列では最高の一枚」と言わさしめたほど。
ずらりと並んだメンバー名によるとリードはJack Lewis Jonesという人だが、これだけの力量を持った男がこの一枚で録音を終えたとは考え辛い。どこかで本名あるいは別名で録音を残しているんじゃないかと夢にふけるのも楽しい。
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