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Curtis! ポンタ & 房之助

Pontafusa_curtis 持つべきものは友である。決してレコードやCDではなく(笑)。

 渋谷のビリヤード場「CUE」の常連のABちゃん(仮名)が、音楽事務所でばりばりと仕事をしているということを最近知り、僕も音楽は好きなんだよと、このブログを教えておいた。

 プロの彼から見れば、浮き草の如き書き捨てだと思うが、ありがたいことに彼が関係したというこのCDを教えてくれた。

 ところが、このCDについて全く知らなかった。いちおうこういうネタには敏感なつもりだし、村上"ポンタ"秀一は大好きで、芸能何周年記念かのプロジェクトCDもちゃんと買っているのだが、恥ずかしい限り。

A Big Train Coming 村上"ポンタ"秀一 & 近藤房之助 (Victor VICJ 61130) -2003-

 この二人がカーティス・メイフィールドの曲をカバーするという企画。
 (昨日、カーティスのソロ第一作を取り上げたが、その時点ではABちゃんからこのCDの話は聞いていなかった。ささやかな偶然だが、ことさらABちゃんの好意がありがたい。)

 カバー曲は以下の通り

Choice Of Colors
You're So Good To Me
Billy Jack
Move On Up
Gypsy Woman
You Must Belive Me
Fool For You
I've Been Trying
Give Me Your Love (Love Song)
Tripping Out
Future Shock
Superfly
Sweet Exorcist

 カーティスの数ある曲のなかから、知名度の高いものが選ばれているのはもちろんだが、しかし一ひねりがある。またソロに限らずインプレションズ時代の曲からも数曲選ばれているとなると、これはこの二人のどちらの好みなのだろうか。

 未聴の方がこの企画を知れば「近藤房之助がカーティス?」という印象を抱くのではないだろうか。声質や歌唱法がまったく異なるからだ。
 だが、そもそもカーティスの歌唱ってのは機嫌の良い鼻歌みたいなもんで、似せて歌っても白けるだけ。真っ向から歌いきっている近藤房之助の姿勢は黒光りしている。

 同じことはポンタのドラムにも言える。カーティスの諸作はドラムよりもラテン・パーカッションを前に出したもので、タイトなリズムなど無視したかの如く。ズシンとくるバスドラムでグルーブを創るポンタとはあいそうにないのだが、先の房之助と同様、物まねじゃないんだから、むしろその個性を楽しんだ。

 けっこう「ふ~ん」と思ったのが、インプレッションズ時代の曲をとりあげながら"People Get Ready"をカバーしていないこと。なにかここにも意志があるのだろう。というのはアルバム・タイトルの"A Big Train Coming"は明らかに、"People Get Ready"の歌詞からインスパイアされているわけだから。(ところで同曲の日本人カバーとしては小坂忠のものが素晴らしい。この話はまたいつか。)

 そして個人的にはさらに目玉が。

 山下達郎が3曲ギターで参加している。しかもそのうち一曲は"Tripping Out"なんです!
 山下達郎はカーティス・フリーク。私事ながら僕がカーティスの名に興味を持ったのが、81年だったかカーティスが来日したとき達郎がラジオで「僕は全部の会場を追っかけます」と宣言したのを聞いたから(ちなみに、この追っかけは多忙により挫折したそうだが)。

 実際、70年代~1985年までの達郎のサウンドは、カーティスとアイズレー・ブラザースに強い影響を受けていた。
 その最たるものが、彼のシングル曲「甘く危険な香り」(現在はベスト盤等で聴ける)。この曲のバックは、完全にカーティスの"Tripping Out"を下敷きにしたもの。ネタ使い、かくあるべしという素晴らしいものだった。
 そのオリジナル・ネタを達郎のギターで聴けるんですから。

 それにしても達郎のサイド・ギターのカッティングというのは独特で、このアルバムのなかでも一際カーティスに近い(強いて言えばやや生真面目だが)。
 ほかに"Billy Jack"、"Superfly"(!!)でギターを弾いていて、軽いようでいて粘りのある響きは、さすがブラック・ミュージックをわかっている。

 というわけでABちゃん、ありがとう。この場を借りて御礼申し上げます。でもビリヤードでは手を抜かないけどね(笑)。

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