濃厚な時間 James Brown
ところが、単身赴任の身の悲しさよ、JBのレコード/CDを一枚も持ってきていない。
JBも持たずに、なにがソウル・ファンだと言われそうだが、いえサム・クックもオーティス・レディングもジャッキー・ウィルソンも持ってきていません。あれっ弁解になっていない。
ソースの実物はないが、ある程度ならiTunesに入れてある。そいつで、とりあえず聴いて、さらに聴きたいものがあれば帰省のたびに取ってくるという寸法。
いまの住居にはレコードやCDを置くスペースが限られているので、そういうときは同数を持ち帰る予定。
と、前置きをおいてからiTunesにJames Brownと打ち込んでみると---う~ん、アルバム2枚しか入れてないや。
そのうちの一枚を今日は取り上げる。
数年前に出た、アポロの2枚めのライブ盤のスペシャル・エディション2枚組CD。
Live At The Apollo Volume II Deluxe Edition James Brown (Universal UICY-7034/5)
こいつが出たときにはぶったまげた。元々LP時代から2枚組だったが、CD2枚はボリュームが違う。LPに収録されなかった曲、あるいはフェードアウト処理をされてしまった曲の完全版がたっぷりと収まっている。
さらに音質は抜群。これを聴いていると、アポロ劇場のその夜に居合わせた様な気分になる。
いまさら言うまでもないがJBは歌がうまい。昨日取り上げた自伝のなかでジャッキー・ウィルソンなんて出会った頃は大したシンガーじゃなかった、その後うまくなっていったが---という意味のことをさらっと言ってしまうだけのことはある。
シャウトしながらファルセットの音域まで伸びていく声、しかもどんなに歌唱に没頭してもリズムを離れることがないコントロールされたテクニック。
以下、このCDの聴きどころを簡単に挙げておく。
・19分に及ぶ"It's A Man's Man's World"
・ボビー・バード、マーバ・ホイットニーなどJBショウが楽しめること
・"There Was A Time"に続く"I Feel All Right"、16分間の濃厚なファンク
・反対に3分しかない"Please, Please, Please"
3分しかない「プリーズ~」は、この当時は延々と繰り返すマント・ショーをまだやっていなかったということか、あるいは映像なしでは辛い音源なのでさすがにCDでもカットされたのか。
映像がないというのは、これは諦めるしかないが、スタンダード曲"Caravan"のインストが入っていて「The James Brown Band Featuring the J.B. Dancers」とクレジットされている。こいつは、どんなパフォーマンスだったんだろう?
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