中興のコンピ James Brown
つくづく僕は時代の狭間にソウルを聴きはじめたと思う。
ソウルの黄金時代はリアルタイムで経験していない。といって90年代以降のルネッサンスのようなソウル/R&B再評価世代でもない。
言葉を変えれば、聴き始めた時期にはソウルは時代遅れだったし、かと言ってクラブ・シーンでのノリについていくには親G過ぎた。
※ところで最近は「親父=親G」じゃなくて、「親Z」と表記するんだね~。団塊の世代向け55歳以上Onlyの雑誌が創刊され、そこではZ表記。しかし、僕はその世代でもない。失われた40代という感が拭えませんわ。
そんな僕の疎外感を特に感ずるのがJBとカーティス・メイフィールド。それもあって、このところこの二人を集中して聴いているのだが---。
僕がJBを聴き始めた頃は、JBにとっても最低の評価の時代。
それの何が困るといって、単純にJBのレコードを入手するのに苦労したのだ。
そうしたJBの評価が一転するのが、映画「ロッキー4」の劇中歌"Living In America"(それ以前に映画「ブルース・ブラザース」もあったが、JBの音楽がヒットしたわけじゃなかった)。
しかし、それを加速したのが、クリフ・ホワイトによるツボを押さえたコンピ。今日紹介する"Jungle Groove"。
JBのヒット曲ではなく、レア・グルーブというクラブ・シーンによるビートのトレンドに真っ向から立ち向かった優れたコンピ。
それは同時に選曲家(コンパイラ)の時代の到来でもあった。
はじめてJBを聴くのなら、それも特にヒット曲にこだわらないのなら、現在もこれに勝るコンピはないと思う。
アポロでのライブの第三弾""Revolution Of The Mind"(1971)のインナー写真を使ったジャケットもインパクト充分。
センスがいいと言うのは、こういうコンパイルができる人のことだな。
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Comments
僕がJBにはまったのは、フランス盤でJBの初期の作品がドドッと再発されたあたり。その頃に再評価の機運が高まったんじゃないかなー。で、AFRIKA BAMBATTAとの共演も話題になってた頃だし、「living In America」はそのあとぐらいだったような…。
Posted by: masato | February 26, 2007 06:23 AM
>masatoさん
その通りなんです。僕もそれでKINGの素晴らしいジャケットのLPを買っていったクチ。
僕の思い出は、日本のマーケットではってことです。ちょいと言葉足らずで申し訳ありません。
ところで、WikiにおけるJBの項を読んでいたら日清のカップヌードル味噌味で「ミソッパ!」と叫ぶCMに出演したことが書いてありますが、実はその何年か前にパルコのCMでマントショーを披露したことがあります。
殆どの人がこれが誰なのかわかっていなかったという印象があるのですが(だからWikiにも書いていない?)、CMに使われるくらいですし、わかっている人は先刻ご承知だったのかも----。
JB再評価の波を知らなかったのは僕とその周囲だけだったんですかね(笑)。
Posted by: Sugar Pie Guy | February 26, 2007 07:45 AM
私がJBにとっかかり始めたのも結構遅かったですね。
1980年代前半にSolid Smokeが素晴らしいジャケットと選曲で4枚ほどLPをリイシューしたのがきっかけでした。
Can Your Heart Stand It!! (Solid Smoke 8013)
同じくアポロのライブにもやられました。
あとの2枚は初期の作品集でしたが、先の2枚を聴いた後ではちょっと分が悪かった。
それにしてもこのSolid Smokeというリイシュー・レーベルは素晴らしかったな。名盤を次々に出してくれて、、、今はもうないのだろうね。
デトロイトのカレン/モイラ/カーラのコンピ、バーバラ・ルイス
マンハッタンズのカーニヴァル録音にシェパーズにエスクワイアズ/マーヴェローズ、それにフラミンゴズのチャンス録音。
すべて極上のリイシューで、作りも丁寧でデザインがまた抜群ときていてとにかく最高でした。
Posted by: frisco | February 26, 2007 09:49 PM