Be My Girl Michael Henderson
コーラス・グループとして屈指の実力を長年に渡り維持しつつも、常にソウルの本質とも言える猥雑さを失わず、お上品にならない。
彼らにかかればオリジナルだけではなくカバーも光輝く。時としてオリジナル以上に仕上がることすらある。
その有名な例が、"Me And Mrs.Jones"だろう。ビリー・ポールのオリジナルもスウィートだが、ドラマティックスの手にかかると、こってりと暑苦しい。
最近の僕の無知をさらけ出した事件(ホール&オーツの有名曲のドラマティックスによるカバーを、彼らがオリジナルと錯誤した→くわしくはこちら)も耳に新しいというか頭が痛い。
そしてさらにオリジナルを遙かに凌駕したのが、アルバム"Joy Ride"に収録された"Be My Girl"。これはドラマティックスのABC時代の代表曲といっていい。
前置きがドラマティックスの話ばかりになったが、その"Be My Girl"のオリジナルが今日紹介するマイケル・ヘンダーソン。
どちらかといえばフュージョン畑の人で、ジャズの帝王マイルス・デイビス、ノーマン・コナーズ、レジー・ルーカスらとつながりがある。ブラック・フュージョン界では王道を歩んだ人物。
ソロ・シンガーとして何枚かのアルバムがあるが、"Be My Girl"は76年の1st"Solid"(Buddah)に収録されている彼の1stシングル。
美しく妖艶な曲である。ただドラマティックスのカバーを聴いてしまうと、どうにも物足りない。マイケル・ヘンダーソンは、シンガーとしては正直なところ弱い。
しかし才人であるのは間違いなく、今日紹介するブッダ時代のベストCDはなかなかに聴きごたえがある。
The Best Of Michael Henderson (BMG BVCM37060)
このCDは日本編集。全15曲、ダンサー、ミディアム、バラードとソウル・フィーリングに溢れている。
彼自身もカバーに挑戦しており、ジェリー・バトラーの"Never Gonna Give You Up"はなかなかの出来だ。
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