名解説? James Brown
あらかじめお断りしておくが、そのレコードが出たときの時代性や、日本のソウル・ファンの好みの変遷もある。今の視点でだけ見てはいけない。
というわけで取り上げるのはジェームス・ブラウン。
ソウルの夜明け James Brown (Polydor MP2298)
原題は"It's A New Day So Let A Man Come In"。「新しい時代がやってきた」という意味だから「ソウルの夜明け」という邦題はなんとなくわかるようなわからないような(笑)
JBの傑作アルバムの一つで、聴き応えのある"It's A Man's Man's Man's World"のリメイクのほかバラードの出来も良い。もちろんファンクについては言うまでもなし。
さて桜井さんの解説は今回もさすが。
最近のジェームス・ブラウンは、ご存じのように、じつにファンキーな、リズムを中心にした作品ばかりを続々発表してくれていて、昔からのファンには、すこし物足りない感じです。
ファンクこそJBだと今でこそ定評が固まっているが、R&Bシンガーとしての時代が先にあり一部のソウル・ファンはその変化に相当とまどったのだろう。
ところで桜井さんの文章は少し句読点が多すぎないかという気がする。JBのファンクのシンギングにあわせたわけではないだろうが。
ところで、ジェームス・ブラウンが、この4~5年で急に、リズムを中心としたダンスしやすい作品を多く発表するようになったのは、なぜか、ということを考えてみると、これはどうやら彼の声の変化に主な原因があるようです。つまり、彼の声が段々にラフになっているという事実です。
う~ん、この論はすごい。普通ならば声がラフになったからファンクが多くなったのではなく、ファンクを毎夜ステージで叫んでいた結果として声が荒れてきたと考えるところだが、それは相互作用で声の変化を自覚したことが彼の音楽の変化を加速させたのかもしれない。
ただあくまで、そういう考え方もできるというだけで断定するのは早計だと思う。
B面は、珍しく、3分前後の作品が6曲も収録されていて、うれしくなります。メッセイジ・ソング・タイプの作品が少ないのも気に入っています。
桜井さんの真摯な姿勢がいかんなく発揮されている。「メッセージ・ソングが嫌いだ」という嗜好を正直にぽろりと書いてしまうところで、それがありきたりな解説に慣れた我々をしばしば困惑させる。
しかしこういう頑な姿勢が、日本特有のソウル・ファンを発生育成させた原動力なのだと思う。やはりソウル界の偉人と言うべきだろう。
ひるがえって、こんな私的なブログでさえも僕はつい常識に引っ張られがちだ。よし、これからはもっとがんがんと好みを出してやろうと決意するものなり。
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