これ常識？ James Brown

　いつもJBの音楽は僕の隣で鳴っていた---と言えると格好いいのだが。

　そう思いこんでいただけで、彼が亡くなって2ヶ月あまり、聴き直す度に、なにもわかってはいなかったんだなと悔やむばかり。

　とりあえずアポロのライブ3枚を聴き直してみた。（※世評の高い2枚目は以前に取り上げました）

　一番ファンクごりごりなのが今日紹介する1971年のもの。その勢いは凄い（いつも凄いんだが）。特に"Soul Power"ではJBのコールに対し、ボビー・バードと観客全員がレスポンスする。これは至福の瞬間だなぁ。会場にいたかった。

　ところで聴いているうちに大発見をした---つもりなんだが、これって当たり前すぎて常識だという気がする。今まで気がつかない自分が迂闊だったのか。

　以前、クリフ・ホワイト選曲の素晴らしいJBコンピ"In The Jungle Grove"を取り上げた。そのジャケットは今日のライブLPの中ジャケットを使っているのだが、選曲そのものもこのライブLPがベースになっているのだ。

　まずこのライブの収録曲をあげる。

It's A New Day So Let A Man Come In And Do The Popcorn
Bewildered
Get Up (I Feel Like Being A) Sex Machine
Escape-ISM
Make It Funky
Try Me
Fast Medley:I Can't Stand It/Mother Popcorn/I Got The Feelin'
Give It Up Or Turnit A Loose
Call Me Super Bad
Get Up, Get Into It, Get Involved
Soul Power
Hot Pants (She Got To Use What She Got To Get What She Wants)

　次に"In The Jungle Groove"

It's A New Day
Funky Drummer
Give It Up Or Turnit A Loose (Remix)
I Got To Move
Funky Drummer (Bonus Beat Reprise)
Talkin' Loud And Sayin' Nothing (Remix)
Get Up, Get Into It And Get Involved
Soul Power (Re-Edit)
Hot Pants

　大有名曲のセックス・マシーン、バラードのトライ・ミーなどを除けば、特に後半の流れはそっくり。
　
　"In The Jungle Groove"は、クリフ・ホワイトがJBの69年から71年の録音（not on LP曲含む）からコンパイルしたもので、だから統一感もあるし、オリジナル・アルバムと言っても通じるような流れがある。
　この時期のライブともちろん内容が似ているのは自然だとは思う。しかし後半の曲順まで一緒というのは、クリフの遊び、もしくは彼はJBファンクの神髄をこのライブに見出し、それをスタジオ録音で構成してみせたということなのかもしれない。

　実は"In The Jungle Groove"のクリフ・ホワイトによる英文ライナーを読んでいない。今日の通勤時にブックレットを持っていて読む（CDのメリットだな）。なにか書いてあるかも。