Paula/Jewel Roscoe Robinson
ロスコー・ロビンソンは、たくさんのレーベルを渡り歩いている、このCDの元となったPaula/Jewel以外に、Wand(ディストリビュートしているだけでオリジナルは彼自身のレーベルGerriだそうだ)、Sound Stage Seven、Atlantic、Fame----。
しかし、シングル単位での小ヒットはあったものの、その当時にはオリジナル・アルバムを一つも残していない(注:ソウルでは。ゴスペルのアルバムはある-後で触れる)。
ソウル・シンガーとしてピュアであり過ぎた故の不運、月並みな形容だが、そう表現するしかない。
それを埋めるべく日本では何枚かの編集LPが編まれてきたが、昨年出たこのCDは質量共に凄い。冒頭に記した通り、まさにひれふすしかない。
Heavenly Soul Music Rosoe Robinson (P-Vine PCD-24176)
良くも悪くも、このPaula/Jewel録音のバックのサウンドは軽い。ここで言う軽さとはサザン・ディープ・ソウルの神髄とも言えるFameやGoldwaxの歌と密接に絡むようなサウンドに比してのことだが、それが悔しいときもあれば、かえって彼の歌の魅力をストレートに伝えるときもある。
たとえば"You Qualify"。ボビー・パタースンが制作したシェリブポート録音だが、そのミスマッチさが得がたい魅力となっている。これはスウィート・ソウルと言って良いのではないか。
このほかバラードはもちろん、ファンキーなリズムであっても、ロスコーのゴスペルで鍛えた強靭な喉と、伸びる高めの声は素晴らしい。
さらにこのCDには彼が残したゴスペル・アルバムがそのまま収録されている。もちろん、これも素晴らしいとしか形容できない。
やったぜP-Vine。こんなCDを世界に向けて発信してくれたことを日本人として誇りに思う。
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Comments
私もつい最近、何を思ったかロスコーの手持ちを調べてみたら、意外とCDを持っていないのに気づき、手持ちのアナログをデジタル化しました。
P-vineのWand録音のLPにCharlyのSS7録音。さらにPaulaやSS7のシングル、それと地元?のシカゴConstellatonのシングル(ゴスペル)などがありました。
確かに不器用ながら心に沁みる歌手ですね。
ところでこの人ってWillie Mitchellの弟だという説がありますよね!ないか、、、
Posted by: frisco | March 07, 2007 11:25 PM