マービン忌 E.J.Johnson
既に彼が去って23年、既にこれは僕の歳時記となっている。本当なら風に舞っていく桜を観ながらマービンを聴き酒を飲みたいところだが、起きがけにマービンを何曲か聴くくらいしかできない。怠惰なんですな。
今朝聴いたのはアルバム"Let's Get It On"。ソウル・シンガーとして彼が最も歌に力を入れた作品だと思っている。
マービン忌に困る(?)のは、マービンを聴いたあとに何を持ってくる(笑)かで、重苦しいのは陳腐に堕す(そういうのは最もソウル的な行為じゃない)、と言って腰軽な今出来のR&Bでも座りが悪い。
でも今年はいいよ。最近お気に入りのこいつがあるから----
というわけで、今日紹介するのがE.J.ジョンソン。
Universal Praise E.J.Johnson (E-Man)-2004-
元エンチャントメントのリードだった盲目のシンガー、エマニュエル・ジョンソンである。
彼には99年に傑作のソロがある。
それっきりだと思っていたのだが2004年にゴスペル・アルバムを出していたのだ。入手したのは最近で、最初はゴスペルかぁと乗り気ではなかったのだが、一聴してびっくり。これは素晴らしい。
E.J.ジョンソンの歌の張りと艶がすごい。70年代、80年代のエンチャントメント時代とまったく遜色ない、いやこの張りきり具合はそれを凌駕しているかもしれない。
お得意のヒーというファルセットのシャウトを嫌みなく交え、しかもモダン・ゴスペルらしく曲調はソウル/R&Bと変わらないときている。
そして確かにスピリチャルなのだ。歌に気高さがあり、俗気がない。
ここまで霊験あらたかだと、耶蘇の神もやるもんだわいと唸らざるを得ない。
ただ最後の2曲が、"Star Spangled Banner"(アメリカ国歌)と"God Bless America"というのは、こちら側の国民としてはいただけない。
メキシコ・オリンピックでメダルを取りながら国歌に腕を突き上げて反抗したアメリカ黒人選手がいたが、思えば隔世である。
マービンが死んで23年だもんな。
裏声のゴスペル聴くや マービン忌
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