本年もキてます Uplook Story
そのなかでも一際ヤバいのがGrapevine。本年もやってくれました。アップルックというレーベルの発掘。フィリーにあったレーベルのようだが、ちゃんと発売されたレコードはシングルが数枚。ところが、こんなお宝音源がごっそりあったんですねぇ。
The Uplook Records Story varius (Grapevine GVCD 3033)
フィリーといっても60年代。聴いてみるとわかるが実に微妙な時期。ツイストやホースといったダンス・ステップの時代と、ギャンブル=ハフの時代の間のミッシング・リング。
ひとくちで言えばノーザン・ソウルなんだが、デトロイトの性急さとは異なる、やはりフィリーらしい甘さが底にある。僕は大変気に入った。
ごっそり録音が出てきたといってもアーティストは限られる。
まず、シングルも公式に出ているチャールス・ミンツと、デレゲイツ・オブ・ソウル。この二組の競作となる"Running Back"のズンドコ・リズムでまず一回死ぬね、僕は。
これにトニー・タレントという子供シンガー(達者です)と、テディ・ペンダーグラス。以上4組のアーティストだけ。
えっ、テディ・ペンダーグラス?
そうなんです。テディの録音が3曲含まれているんです。巷ではこれが大きな話題になってます。
ただし一曲は初出じゃない。"We Got Love"は同じGrapevineから出ている数年前に出たコンピレーション"Talk Of Grapevine"に収録されている。それを聴いたときから、いったいどんな録音なんだろうと首をかしげたものだが、ようやくこうしてネタがわかったということ。
しかしこのテディの歌がなかなか。後年の大スターの熟した味より、この青臭い歌のほうが心に響いてくるように僕は感じる。
ドラマーとして加入したが歌がうまいのでリードに抜擢されたというハロルド・メルヴィン&ブルーノーツでのテディのストーリーはもしかしたら伝説に過ぎないのかもしれない。
いやあ今年もGrapevineから目が離せません。素晴らしい仕事です。
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