83年作 Blue Magic
実は僕がはじめてブルー・マジックを聴いたのがこのレコードだった。ちょうどこのアルバムが出たリアルタイム、知人のお兄さんが生粋のソウル・ファンで、当時はよくカセットテープを何本か持って泊まりがけで訪ねていた。知らないレコードをいろいろ録音させてもらっていたのだ。
そこでドラマティックスの"In The Rain"をカバーしているよと教えられたのがこいつ。
当時はドラマティックスに夢中のときだから、それしか頭に入らない。ある意味、ブルー・マジックには失礼な話。
ところが、じゃあこのレコードを録音させてほしいと頼むと、「あんまり内容良くないよ」とそのお兄さんはつれない返事。そんなものかと他のレコードを録音して帰ってきた。
ウブな僕も、さすがに成長し、ブルー・マジックはスタイリスティクス・タイプ、いや考えようによってはこっちが本家。少なくともそのソウル度では絶対に上と確信するまでになったのだが、案外とこのレコードが手に入らない。たまにあっても、思ったより高かったりして、なんだかんだで彼らのアルバムのなかでは最後になってしまった。
Magic # Blue Magic (Mirage 90074-1)-1983-
一応彼らの殆どの録音は聴いている筈なので、改めてこのアルバムを聴いてみると---
たしかに、お兄さんが落胆していたように、ひとつ落ちるような気がする。L.A.で録音したこの前のCapitol盤のほうが面白みがあったし、特にバックのサウンドが平面的だから印象が薄い。
ただ、やはり良い曲がある。
お得意のバラード"Sit Alone Again"や"Since You've Been Gone"ではリード・ファルセットのテッド・ミルスの個性が発揮されている。特に後者は語り入り。この味は彼とブルー・マジックならではのもの。
大名曲"In The Rain"のカバーもかなりいい。この曲のカバーとしてはかなり上位だろう。
ミディアムからダンサーがいまひとつ盛り上がらないこと、さらにこのアルバムの後になるDef Jamからのものが大傑作ということもあり、評価は落ちてしまうが、腐ってもブルー・マジック、やはりいい。
というわけでこの当時の彼らの写真↓(クリックで拡大します)。
90年代初頭だったか来日ステージがあり観に行った。予想を上回る素晴らしいものだった。会場でカセット・テープを売っていて買って帰ったが、それは結局not on LPとなってしまった。どこかにある筈だから探し出してデジタル化してご紹介したい。
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