ボルテージ落ちず Anthony Hamilton
僕のようなソウル親父にはたまらないシンガーであり、ソウル・ミュージックに対するポジションの人である。21世紀のサザン・ソウルの裏道から躍り出て、いまやこの男はサザン・ソウルの枠を越えた存在だと言えるだろう。
彼のメジャーからのアルバムは2003年と05年にアリスタから出ているが、今回はレーベルが変わっている。
Southern Comfort Anthony Hamilton (MRV 002)-2007-
CD番号が002となっているが、001はなんだったのだろう。知りたい。
さて彼のポジションについて。21世紀のサザン・ソウルとは、ブルースでもない、ヒップホップでもない、ましてブラコンでもない。歌にこだわること、歌を最もひきたてるサウンドに終始すること。
そのために選んだのが70年代ソウルのエッセンスなんだと思う。
日頃「70年代は良かった」と懐古しているソウル・ファン(僕のことだ)が、そういう姿勢を「あざとい」と非難してはいけない。まさに僕が求めていたものがリアルタイムに存在しているじゃないか、というわけだ。
"Don't Say What You Won't Do"で歌のバックでつぶやかれる、「ブラック・ピープル、ジュー」はいやでもカーティス・メイフィールドを思い浮かべてしまう。
タイトルの「サザン・カンフォート」について。これはニューオーリンズ産の有名なリキュールの名前。ピーチがベースだが、レモンなど柑橘系やハーブが調合されている。
こうしたリキュールにはまると底がない。アルコールで封じ込めることによりフルーツの香りは凝縮され深くなる。甘い酒なんてと言っている酒飲みにはぜひトライして欲しい。いまどきのR&Bなんてと言っているソウル・ファンも同じように。
※リキュール「サザン・カンフォート」のHP
↑最初に生年月日を入れて成年であることを確認してからEnterを。重いけれどポップなアート感覚が楽しめるサイトです
後注
さる方からご指摘をいただいた。これは新譜ではなく、未発表音源を集めたものらしい。以前にも一枚出ていたが、まだあったのかという感じ。レーベルがアリスタじゃないのも、それで納得。情報ありがとうございました。
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Comments
おお!新譜でたんですね!彼は僕も大好きなシンガーで特にファーストのI TriedとセカンドのChange Your Worldが大好きです!彼を聴いて最近のソウルをもっと聴かなければと思いました。このアルバムの内容もよいみたいなので是非聴いてみたいです!
Posted by: Airegin | May 20, 2007 04:16 AM
Aireginさん>
後注として本文に追加しましたが新譜ではないという情報がありました。なにせ新しい人ですから未発表にしても音からは判断つきにくい。
ただ楽曲は相当にまとまっており、新作として聴いても楽しめると思いますよ。
Posted by: Sugar Pie Guy | May 20, 2007 08:35 AM
そうなんですか、僕としては未発表でも新作でもどちらでも構いません。次にCD屋に行ったときに探してみますね!
Posted by: Airegin | May 20, 2007 08:03 PM