軽快 Archie Bell & The Drells
昨日も書いたが、彼らは今の時代にこそもっと評価されていいのではないかと思う。
ずば抜けて歌やコーラスがうまいわけでもなく、レコードも総じてそんなに高くない。それが評価されにくい原因なのかな。
あるいは出自がはっきりしないというかアイデンティティに欠けるところが微妙に関係しているのかもしれない。
彼らはもともと南部の出身、出世曲の大ヒット"Tighten Up"はテキサスの録音。しかし、70年代のフィリーブームに引き寄せられフィラデルフィアに活動の場を移す---と書くと、時流に乗っただけのようだが、彼らのフィリー行きはかなり早い時期だった。"There's Gonna Be A Showdown"はアーリー・フィリーの響きがある。
むしろフィリーの最初の全盛期には彼らは不遇だったと言えるかもしれない。ようやくギャンブル=ハフが思い出したように作ったアルバムがTSOPから出ている今日紹介するアルバム。1975年作品。
Dance Your Troubles Away Archie Bell & The Drells (TSOP 33844)-1975-
部分部分でオージェイズっぽいところがあり、そこもアイデンティティ不足を感じさせるが、しかし肩肘こらず楽しく聴けるアルバムになっている。
彼らの持ち味はミディアム・ダンサーで発揮されるが、バラードも意外にいい。このアルバムではラストの"I Love You (But You Don't Even Know It)"はスウィート・ソウルと呼んでいいだろう。
なおこのアルバムは日本でCDになっている。(SONY SRCS-6498)
ジャケットの衣装でパンツのサイドに牛のような黒い斑紋があるが、これは鈴(ベル)の絵。もちろんアーチー・ベルにかけているわけだ。
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