セパレーション・ライン Johnnie Taylor
サム・クック・スクールの首席卒業生として、幾多の秀作・佳作を残しながら、この人の実力からしたらもっと凄いものが残せたのでは、というifを考えずにはいられない。
ビッグ・セールスを幾多も持っている彼にしてみれば「大きなお世話だ」と言いたくなるだろうが、コロムビアの初期(大好き!)、晩年期のマラコ時代(かなり好き!)に比して、肝心かなめの60~70年代のStax録音にそうしたifを感じてしまう。
もちろん"Who's Making Love"はカッコいい。だが、このヒットが彼のスタイルを固定してしまったのではないか。濃厚なバラードをもっともっと聴きたい。
そんな思いにかられるのは、このアルバムに入っているある曲があまりに素晴らしいからだ。
Philosphy Continues Johnnie Taylor (Stax 2023)-1969-
これはアルバム"Who's Making Love"の勢いをかって出された次作。勢いに乗っていたゆえに、カバーの多い即席の感は否めないが、やはり彼の歌は素晴らしい。
カバーが多いと書いたが、正直なところ安直という思いがつきまとう。ところが、ここにキラーの一曲があるんですよ---
と、引っ張ってしまったが、それは"Separation Line"。
まずは聴いてもらいましょう、というわけで今日もストリーミング配信。聴くためにはReal Audio Player必須。サーバ容量の制約ゆえに一ヶ月程度で落としてしまうので、聴きたい方はお早めに。
Separation Line / Johnnie Taylor
まさに完璧なサザン・ソウル。このイナたい感覚は好き嫌いがあるだろうが、いったん受け入れてしまえば、この歌の深さ=Deepさに打ちのめされる。
ああ、なんと凄い表現。
この曲を聴くと、ジョニー・テイラーにはもっともっとこういう歌に取り組んで欲しかったという気持ちを抑えられない。
やっぱり大きなお世話なのかもしれないけどね。
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Comments
「Separation Line」、素晴らしいですね。個人的にはコロムビア時代よりスタックス時代の方に惹かれるんですが、こういう曲をもっと歌って欲しかったというのはまったく同感です。まあ、そうでなかったから成功したんでしょうけど・・・
この後は一時期ディスコ物に走るし、売れる(と思われる)スタイルに走る事に躊躇しなかった(かどうかわかりませんが)あたりも、ある意味サム・クック的なセンスかも知れませんね。その点でも“首席卒業生”なのかも。。。
Posted by: HEKA | June 24, 2007 10:32 PM