DVDです Ray, Goodman & Brown
以前にも書いたかもしれないが、僕は15年ほど前に彼らのステージを観たことがある。ハリー・レイが死ぬ半年くらい前で、彼は全く声が出ていなかった(死因は肺癌と伝えられている)。
さらに他の二人もまったくなっていなくて、ステージ活動をしていなかったんじゃないかというくらいお粗末だった。それでもステージ後にメンバーに会って僅かながら思いを伝えられたのは良い思い出だが---。
そんなわけで、このDVDもまったく期待していなかった。
しかし、これが思いのほか素晴らしくてびっくりした。その最大の要因はおそらく彼らが再びステージを活発にこなしているということにあると思う。そしてそこに強力な助っ人が加わっている。言わずと知れたケヴィン・オーウェンス、そして僕は知らなかったラリー・ウィンフリー(Larry Winfree)なるメンバー。そもそも3人組というのはどうしてもコーラスが薄くなるが4人ならばさすがに厚みを増す。そしてメンバーそれぞれ良い味を出し切っている。
まずはビリー・ブラウン。心あるソウル・ファンならば、あまりに繊細なハリー・レイより、ほどよく雑味を帯びたビリーのファルセットに惹かれるはず。
モーメンツ時代の二大名曲"Not On The Outside"、"Love On A Two-way Street"はビリーがリードを取ってこそ映える(もともとはこのメンバーが歌っていたわけじゃないんだが---それは置いておいて)。
ケヴィン・オーウェンスのテナーの伸びはご存じの通り。実際にはR、G&B時代からの助っ人だから年季が入っている。
驚いたのがラリー・ウィンフリーなる男。実に味のある声で、数曲リードをとる曲では聴き惚れてしまった。
そしてアル・グッドマンのベースや語りも、もちろん忘れるわけにはいかない。
聴いていて思わず不覚をとったのが"Inside Of You"や"Special Lady"。僕がソウルを聴きはじめた頃のリアル体験だったからね~。いろいろな思いで胸がいっぱいになってしまった。
ちょいと我を忘れて褒めすぎた。やはりロートルだし、手放しでお奨めはしない。彼らに対する思い入れがなければ辛いだろう。
それにしても4人いて、しかもそのなかに実在するのは2人だけなのにレイ、グッドマン&ブラウンとはこれ如何に?10年後には一人も実在しないレイ、グッドマン&ブラウンになってたりして---
The comments to this entry are closed.
Comments
良かったでしょ。私見ながらいっしょに歌ってました。動くアルジョンのDVDより数段良かったです。そろそろアルバムでてもいい頃ですしね。見てないけどいっしょにテンプスもでたみたいですね。
Posted by: hashi | July 05, 2007 12:27 AM