夏休み読書感想文2 All About Disco
かってディスコはソウルを殺した下手人として、法的にはともかく道義的には激しく叱責されていた。
もし70年代後半にディスコ・ミュージックが出てこなかったら、ジョニー・テイラーは"Disco Lady"を"Soul Lady"と改題していた筈だし、ジェイムス・カーは大スターとなり、ヴァン・マッコイはハッスルできなかったとされていたからだ。
しかし、それが濡れ衣だったことが、さすがにはっきりしてきた。
次の画像をクリックして拡大してもらうとわかる通り、大阪で行われている世界陸上でも冤罪であるとの司法判断が下り「勝訴」の文字が躍ったのだった。
考えてほしい。
もしディスコがなかったら、日本全国にたくさんあるソウル・スナック/ソウル・バーにはミラー・ボールがディスプレイできないのである。
残念ながらピュアなソウルが生き残る余地はあらゆる意味で少なかった。むしろディスコというフィールドで良質なソウルがたくさん作られたことを評価するべきだろう。
もちろんディスコのなかには、少なくとも僕にとっては興味外というか聴くだけ気分が悪くなるような種類の音楽もあった。特にビートがあるようで跳ねてくれない音楽については勘弁してほしい。
と前置きしたうえで、読書感想文のネタを紹介しよう。
All About Disco Music (Tokyo FM出版) 1470円
今年の春出版されたばかりの本。
全体の6割はソウルで、なるほど、あるいは確かにこいつは良いよな~とうなずきながら読むことができる。
残りの4割のうち半分は勉強になる。DJ文化を芯としたソウル以外のディスコがどういうものなのかが、ずいぶんわかった。
あらゆるジャンルに貴賤はない。僕が苦手とするユーロ・ビートにもきっと良いものがあるのだろう。
そんな博愛精神を持つことができる本、ということで読書感想文を提出いたします。
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