これがルーツか William Hart
デルフォニックスのウィリアム・ハートである。80年代は彼らがシーンから姿を消した時期。"Return"だとか素性の妖しいLPは出ていたが、ハートもソロに活路を見出そうとしていたのだろう。
A Thousand Miles Away / My Words Fell In Love With Music William Hart (Silver Spur SSI-111982)-1982-
それにしてはどうしてこの曲のカバーをA面に持ってきたのだろう。おそらくは彼が若い頃大好きだった曲なんだろう。彼、すなわちデルフォニックスが切り開いたファルセット・リードのバラッド・グループのルーツは、やはりドゥーワップにある。
ただし50年代はファルセットは主役ではなかった。ファルセット・リードは、スリラーズの「ピーナッツ」のようなノベルティがせいぜいだった。リトル・アンソニー→スモーキー・ロビンソン→ウィリアム・ハートという流れで僕は理解している。
さて、さっそくこいつを音貼りしてみよう。Real Audio必須、一ヶ月でサーバから落とすのでお早めに。
A Thousand Miles Away / William Hart
久しぶりに聴き返したのだが、こんなに良かったのかと評価し直している。入手したときは、曲に新味がないこともあったが、コーラスがないというのが残念で悪いイメージしか残っていなかった。今聴き直してもその弱点は覆い隠せないが、ハートは歌に様々な技巧を凝らしていて、それはデルフォニックス時代では聴けなかったもののように思う。特に後半、一瞬地声を出しそこからファルセットに転じるようなところ。アレンジも良く82年という時代に、よくここまで作ったと思う。これでコーラスがあれば傑作となったろうに。(今からリミックスしてコーラスをつけるってのはどう?)
ついでなのでB面も音貼りしておく。
My Words Fell In Love With Music / William Hart
こちらは地声で勝負するモダン・ダンサー。自身の作だが、曲に魅力が欠けるのが痛い。メロディよりもアレンジが悪いのかも。もっともモダン・ソウル・ファンには好かれるかもしれない。
と、起承転結の「転」が今回だったのだが、突然「結」が思い浮かんだので、明日に続きます。
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Comments
1000 miles away には反応しちゃいましょう。
Wayne Anthonyって知ってますか?
彼のバージョンはちょっと面白い。
バックがサザン・ソウル風で声は少年風の若々しくも力強い歌い方で一聴して印象に残る歌です。
SequelのDoo Wop Under The CoversというCDに収録されています。
Posted by: frisco | August 02, 2007 04:15 PM
聴かせて頂きました。中々良いバラードですね。。確かにこれにコーラス・サポートが付いたなら何倍も魅力的な曲になっていたと思います。
裏のモダン・ソウルは確かにアレンジがあまり良くないように思いました。
Posted by: STD | August 02, 2007 06:40 PM
A Thousand Miles Away /すっかりWilliam Hart節にしていますよね。
82年にこのアレンジは無いだろってくらい。
PhiladelphiaのDooWopは他の地域と違いSweetな要素があったようなことを山下達郎のラジオ番組でおっしゃってました。
これどういう経緯で買ったのか思い出せない。
たぶん新譜で買ったはずだけど。
Posted by: kazzz3 | August 02, 2007 07:39 PM
「A Thousand Miles Away」と云えば私の場合New Editionです。
ガキンチョが大人の歌を歌うミスマッチなコーラスが素敵。
これを聞いちゃうと全盛期のデルフォニックスでも.....
http://www.amazon.com/Under-Blue-Moon-New/dp/B000002O3J/ref=sr_1_9/105-0179415-2513229?ie=UTF8&s=music&qid=1186059331&sr=1-9
Posted by: adhista | August 02, 2007 10:09 PM
皆さんコメントありがとうございます。
friscoさん
そのCD持っていません。よろしくお願いします(w)
STDさん
まさかSTDさんがお持ちでないとは。(それを僕が持っているということに驚き)
ただ、安くいつでも買える皿ですからね。
kazzz3さん
Doo Wopについては集中して調べようと思いつつ、なかなか。
あれほどの全盛を誇ったスタイルが、なぜ急に絶滅したのか。
やはり隕石衝突ですかね~(w)
adhistaさん
ありましたね~。彼らのカバー集。
フランキー・ライモン&ティーンネージャーズとか、ティーンコーズのような子供グループのカバーはやっていないというところがオツでした。
あの展開は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のヒットからつながっていたのかな?
(New Editionは1986年、映画はその数年前かな)
Posted by: Sugar Pie Guy | August 03, 2007 01:20 PM