チカーノ・トークボックス Fingazz
サザン・ディープ命の人にはもしかしたらトークボックスは駄目なのかもしれないと思う。ただしスウィート・ソウルが好きな人には絶対アピールすると思っていたのだが、最近とあるスウィート・ファンの方からのメールに「トーキングボックス駄目」とあって、びっくりした。
音楽の好みは人それぞれ、当たり前のことを再認識した次第。
Classics For The O.G.'s Vol.1 Fingazz (Chuckupcd 007)-2004-
トークボックスと言えばロジャー(トラウトマン)。
彼の死はまさに喪失だった。
トークボックスというエフェクトを通じてソウルのシンギングを伝えたということをこそ、もっと評価してもいい。
今日取り上げるのはチカーノのトークボックス使いによるソウル・カバー集。
いかにもチカーノ好みの選曲。メローかつスウィートなアレンジ。素晴らしい内容。
ただしロジャーほどの精神的深みには達していない。これはこのFingazzへの苦言ではなく、この優れた作品と比較してこそロジャーの凄みがはっきりとわかるという賛辞。
以下、何曲かについてコメントしておく。
Be Thankful For What You Got
ウィリアム・デヴォーンの代表作。なかなか聴かせる。この曲のカバーとしてはイントルーダーズ版が好きだが。
Between The Sheets
イントロに流れるクラヴィアーノの響きからムード充分。アイズリーズの不世出の名曲をここまで真面目にカバーしてあることを評価したい。
Cutie Pie
出ました。アル・ハドソン率いるワンウェイのシカゴ・ファンク。良い意味で軽みのある感覚が楽しい。
Cruisin'
スモーキー・ロビンソンのソロ作品。僕はこのカバーが一番気に入っている。ロジャー(もしくはザップ)が、やりそうなテーマだと思う。彼の遺志を受け継ぐものとして一票を投じる。
La La Means I Love You
Thin Line Between Love & Hate
デルフォスとパースエイダーズの甘茶曲のカバー。特に後者の甘さは「その手に乗るかよ」と思っていても、ぐっと来てしまう。
Shining Star
マンハッタンズのこの曲を、アレンジは原曲そのままでトークボックスでカバーしてしまうとは!その大胆さ(なにも考えていないのかも=怖いもの知らず)に感心。
以上、降参です。Fingazzは最新作を出した。やはり聴かずにはいられないな。
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Comments
このテのヤツならBoxxもイイですねえ~。
Posted by: よしき | October 16, 2007 10:28 PM
よしきさん
お久しぶり。
"What's n' Da BOXX"ね!
Posted by: Sugar Pie Guy | October 16, 2007 10:41 PM