美しすぎる--- Keith Sweat (DVD)
まず前もって断言しておきます。
このDVDは、あまねくソウル・ファン、R&Bファン必見です。
もし、60~70年代しか聴かないというコアなソウル・ファンであっても、ぜひ観ていただきたい。スタイルは違えど、ここにはディープな歌世界がある。
そしてなにより美しい。なにが?それは観客の黒人たちが。
飲み物もOKの会場で、リラックスしながら、しかし魂の高揚のままに体を揺らす。その姿は本当に美しい。
キースの全盛期のファンだから年齢的には30代半ばの女性が多いのだけれど、それぞれが本当に美しいんだ。容姿のことじゃないよ。まさにソウル・シスター。もちろんソウル・ブラザーもたくさん。
みんなキースが大好きだから、歌もぜんぶ覚えている。常に口ずさみながら踊る人々。
観ているうちに涙がこぼれてくるのを止められなくなってしまった。
それにしてもキース・スウェットは、いつからこんなに歌がうまくなったんだろう。かっては歌のうまさを誇示するようなところがあって、しかし実力は80点くらいのシンガーだから鼻につくことがあった。
ところがここでの歌はどうだ。実力もあがっているし、歌に対する姿勢が素晴らしい。この歌い込みをこそ、我々ソウル・ファンはディープと表現するのだ。
さすがに老けて、歌いこむときの顔つきはなんとなくアリ・オーリー・ウッドソンに似たイメージを受けるけれど、歌の深さは勝るとも劣らない、とまで褒めておく。
そして、ゲストスターの凄いこと。
ずらずら並べるのは面倒なので、一部を書いておく。
Silk。彼らだけのパフォーマンスもあり、"Freak Me"を歌うんだよ。そのイントロがはじまるだけで、会場から期待の熱気が押し寄せる。もちろん観客みんなが合唱。まさに90年代のソウルを代表する一曲。このイントロでまた泣きました。
興奮してステージにあがった女性ファンを抱き上げ、尻を触りまくる、その格好良さにまた感激。
チャーリー・ウィルソン。さすがに歌力がキースと比べるとがくっと落ちるので聴いているほうも辛いが、彼の去年出たソロ・アルバム(R・ケリー制作)に入っている"Let's Chill"を歌うと、これまた会場の観客が揃って合唱できるのだ。みんなソウルが好きなんだ。ここでさらに感激。
スクリーンにジェラルド・リバートの生前の姿が映しだされ、その名を歌いこみながらキースがせつせつと歌いきる。これは反則だな~、これで泣かずにいられるかっての。
さまざまな女性をゲストとしてデュエット、あるいはコラボしてきた彼。その相手の本人達を呼び寄せてのステージでの再現。これはまさにキース・スウェットというアーティストの総決算。
タイトル"Sweat Hotel"の意味。ここはキースを軸に様々な人が出会う場なのだ。※戦前の映画「グランド・ホテル」でこうした表現が使われ、現在でも「グランドホテル形式」と呼ばれる
くどいようだが念押し。ソウル・ファンであれば環境映像として流しておくだけでも使えます(美しいから)。マストです。
The comments to this entry are closed.
Comments
こないだみんなでこのDVDを見たんですが、キースの手をプルプルさせつつ大熱唱の場面でみんな盛り上がりました。
Posted by: よしき | October 26, 2007 07:03 AM