レア盤がまた Moods
いつも書いているようにレア盤という存在に全く興味がない。もちろん内容が良いのなら、レアだろうと、砂利盤だろうと等しく聴きたいのだが、名だたるレア盤というのは聴いたことがなくても情報はありふれていて、それを分析する限りこのムーズにはあまり期待していなかった。
Moods Moods (DizzareRecords DIZ-024)-1978-
全7曲。いかにもローカルな作りで、たしかにスウィート好みの僕には気になる雰囲気がある。
ただし身も砕けよという極甘バラードは特になく、グループ名通り良いムードの"Without Her"くらいか。これは確かにシングルだったら欲しい内容。
こういうけだるい感じがあっているようで"This Magic"も素晴らしい。
ファンク系の曲もまずまずで、冒頭"Grooving When We Meet"や"Live Today"が良い。
意外に気に入ったのがグラディス・ナイト&ヒップスの「悲しい言葉」"Neither One Of Us"のカバー。
ただしトータルとして、やはりB級の域を出ないのは確かだ。それをもって切り捨ててしまうではソウルのファンとして失格だと思うが、いっぽうでレア盤として崇めるようなものでもない。
市場原理によるレア盤の高騰というのは本当に困ったものだ。ただし相手は「神の見えざる手」だから、どうしようもないね。
追記:鈴木啓志さんの解説は力がはいったもので、単にこのグループというよりソウルの歴史のなかで、あるいは彼らが出てきたセントルイスについて学ぶところが多かった。
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Comments
3回連続でレア盤リイシューでへんなのをつかんだんだのでもうこの手のは買うのをやめようと思いましたが、これは買ってよかったです。
Posted by: よしき | October 26, 2007 07:02 AM
最近の流れだと、レア盤信仰の盛り上がりはリイシューが促進される分、自分が首を突っ込まなければ却って良いかもしれない・・・なんて感じるようになってきました。。。
ただ、最近リイシューされるレア盤は皆USBDGで高沢氏が紹介しているものばかりで・・・ガイド本偏重で価値観が画一化されていく空気というのは何となくつまらないと感じるのは僕だけですかね?
Posted by: HEKA | October 26, 2007 09:40 AM