さようならニック岡井さん
まだ60歳、あまりに早すぎる。70歳、80歳のソウル・ステップを見せてくれる人だっただけに残念だ。
井筒和幸監督の「ゲロッパ!」のエンディング。SOULHEAD(北海道の姉妹デュオ。僕は大好き。日本で一番ソウルの歌える娘たちだと思う)の歌にあわせ、俳優たちが踊るのだが、そのなかにニックさんがいた。嬉しかったねぇ。ああこれはソウルの映画なんだって思ったもの。
ニックさんのビデオ(現在はDVD3巻に収められているが、やはりビデオ5巻でしょ)はもちろん持っているし、そのなかのソウル・シーシーを後輩の結婚披露宴で何人かで踊ったこともある。
500体限定で作られたビニールのニック岡井人形も持っている。
そのくらいのファンだったということ。
本当の黒人のダンスやステップじゃない、という意見もよく耳にするが、問題を履き違えている。黒人はあんな踊りを認めないというわけじゃないでしょ。
本物の黒人のダンスに接することはおろか、映像情報も殆どなかった60年代70年代に、リズム音痴な日本人がソウルに近づく道を指導してくれたのだ。
ソウル・ファンとしても愛すべき人だった。「ケイコと学ぶ」に出演したとき、レコードを持ち出して説明するんだけれども、しばしば間違ったことを言う。それを見て、かえって僕は偉い人だなと思った。レコード・コレクターは往々にして重箱の隅だけをほじりたがるが、それだけがソウルの聴きかたじゃない。
実際、黒人シンガーのインタビューなど読むと、記憶もいいかげんで言うことも出鱈目だったりするじゃない。ソウルほ本来いい加減なものなのだ。
ニックさん、さようなら。
またお会いしましょう。そのときは一緒にステップを踏んでください。
http://mainichi.jp/select/person/news/20071113k0000m060023000c.html
The comments to this entry are closed.
Comments