名曲カバーから Little Milton
リトル・ミルトンのチェッカー時代の録音について、最近はソウル・ファンの間でも話題にならないように思う。
もちろんStax、Glades、そしてマラコと、いつの時代も一定以上の力を発揮した人だから、もちろん初期のチェッカー時代も素晴らしい。
If Walls Could Talk Little Milton (WEA WMC5-246)-1971-
※上記はCD番号、原盤はChecker 3012
70年代の録音、そしてチェッカー時代の最後のアルバム。カバーが多く、もしかしたらレコード会社ともうまくいかず、やる気がなかったのかもしれないが、内容に不満はない。ボビー・ブランドを思わせるスタイルで豪快に歌う。
出色なのは今日のネタであるジミー・ホリディの"Baby, I love you"。ウェスト・コーストの曲を寒いシカゴのミルトンが歌うのだが、これが素晴らしい。
ところで、僕の持っている日本盤CDの解説は桜井ユタカさんが書いているのだが、例によって桜井節が炸裂。もはや凶器に近いほどなので引用しておく。
ただ一言だけ言わせてもらうと、数年前のミルトンの日本でのコンサートで目にした光景、つまりショーの前半のソウル&ブルース・スタイルのステージよりも後半のギターを持ってギンギンにひきはじめたミルトンに対する大騒ぎの仕方は、ミルトンの"歌"を長い間聴いてきた者にとっては大きな失望であった。
R&Bやソウル・シンガーたちの場合、まず"歌ありき---"なのであり、そういう光景を見せられると"連中って、分かっちゃいねぇなあ---"と思ってしまうのは、僕ひとりなのだろうか。
(中略)
しかしこれは好みの問題なので、これ以上はつっこまないでおこう。ミルトンのギター・プレイごときでヤンヤが出来るって言うんならそれはそれでいいかもね。
いや、もう既に充分つっこんじゃっています、桜井さん!
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