ああスペンサー Sound Of Memphis
Soul Sounds Of Memphis Various (Vivid VSCD-017)
なんといってもスペンサー・ウィギンスの"You're My Kind Of Woman"だ。いったいこの曲を何回聴いたことだろう。聴くたびに打ちのめされる。深い、あるいは広いという形容だけじゃない。歌のテクニックが凄いのだ。押すところ引くところ、ケレンを効かせるところ、ソウル・シンギングのお手本と言っていい。
"Take Time To Love Your Woman"もいい。もちろん"I Can't Be Satisfied"を捨てるわけにはいかない。
ソウルを聴くということはトーマス・マンの「トニオ・クレエゲル」をもじれば、ソウルを聴くということは業なのだ。その業を背負うということは、これらの曲を聴くことだ。反対にソウルを知らないというのは、こうした歌と無縁の人生を終えることだ。
共に収録されているバーバラ&ザ・ブラウンズも素晴らしい。オリー・ナイチンゲールは彼の最高とは言えないが、もちろん悪かろうはずがない。
このVivid盤を、今回の英KENT盤を並べると、おそらくKENTは先行するVividとの内容の重複を避けたのだと思われる。そうであるからこそ、この2枚はセットでなければならない。
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