2008年最初のレビュー Alicia Keys
今年の初詣は昨年より住んでいる府中市の中心にある大国魂(おおくにたま)神社に行ってきた。家から歩いて5分、ところが参拝客の列に並ぶこと一時間以上。これだけで疲れてしまった。
家に戻りPCを立ち上げて、なんとなくiTunesで音楽を再生---おっと、しまった。2008年最初に聴くソウル・ミュージックという気合いを忘れていた。適当に聴いちゃったよ~。
となんとも気合いの入らない、情けないスタートを切った2008年。
これにめげず、とっておきの一枚の紹介で本年の「ソウル一日一枚」をはじめますぞ。
As I Am Alicia Keys (BMG BVCP 28090_1)-2007-
アリシア・キーズのスタジオ録音アルバム3枚目、前作からは4年ぶりとなる。その間にはライブ「アンプラグド」や多彩な活動があったとはいえ、頂点にいる若手シンガーとしてはこのインターバルは長すぎる。
その理由は推測するしかないが、ひとつには前作"The Diary Of Alicia Keys"があまりに完成度の高い傑作だったことがあるのではないかと思う。
それは新作を聴くこちらも同じで、あんな傑作がそう何枚も続けてできるわけがないと思うから、つい聴くのが怖くなってしまう。
恐る恐る聴いたが、不安は杞憂だった。
もちろん、前作以上と持ち上げる気はない。だが凡百のR&Bを遙かに上回るアリシア・キーズでなければ生み出せない内容。これだけのものに文句はない。
最近のR&Bとは思えないほどヒップ・ホップ色が薄い。それをしてR&Bではないとする評論も目にしたが、R&Bというのはそんなに度量の狭いものではない。このアルバムはなによりも彼女の確固たる歌だけを聴くべきなのだ。この歌こそソウルであり正統なR&Bであると確信する。
大ヒットとなった"No One"、そしてそれに続く"Like You'll Never See Me Again"のなんと美しいことよ。
2007年に我々はこんな傑作を受け取った。さて2008年にはどんなシンガーが、どんな歌を届けてくれるのだろう。まだまだソウル・ファンの現役をやめるわけにはいかない。
そして、つたない文ながらその感動をこの「ソウル一日一枚」でお伝えしていきたい。どうぞ、今年もよろしく。
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Comments
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
また、めずらしいものとりあげてますねー、このへんはチラッとしかわからないですよ。
Posted by: masato | January 02, 2008 09:55 AM
明けましておめでとうございます。
アンジーストーンは買ったんですけど、コレは買いそびれてます。美形なんでDVDの方がいいかなって気があって。
内容的にはイイですよね。まあ今月も再発がかなりあるので後回しになりそうです。
今年も宜しくお願いします。
Posted by: kazzz | January 03, 2008 12:54 AM
masatoさん、kazzzさん。
もし今のR&Bを聴くならマストです。
ただ、そんなものに脇目をふらないという手もありますね。
僕もいつかリアルなR&Bから離れる時が来るような気がしています。
Posted by: Sugar Pie Guy | January 03, 2008 01:02 AM
あけましておめでとうございます。
昨年はお世話になりました。今年も色々と教えてもらおうと思っています。
今時のR&Bをほとんど聴かない僕もこの人は大好きです。
Posted by: HEKA | January 04, 2008 02:43 AM
HEKAさん、本年もよろしく!
アリシアは「お定まりのパターンに安住しない」、しかし「奇をてらわない」という点で、真のアーティストだと思います。
※僕はソウルのシンガーにアーティストという形容を殆ど使いません、念のため
音楽シーン稀にみる成功をおさめているのに、アーティストらしく、精神的な悩みを抱えているそうです。
というわけで、彼女がどうなるか、彼女の存在がR&Bをどう変えるのか、目下は興味津々です。
Posted by: Sugar Pie Guy | January 04, 2008 06:30 PM